Shopify paymentとは?導入のメリットや設定方法などを紹介

ECストア運営に欠かせないことの1つが、決済方法の導入です。EC事業者としてはできるだけコストを抑えて、便利で安心して使えるシステムを導入したいと思うでしょう。

この記事では、低コストですぐに導入できるShopify payment(ショッピファイ ペイメント)のメリットやデメリット、導入方法を解説します。

Shopifyを利用する予定の方や、Shopifyの導入を考えている方は、ぜひこの記事を参考に決済方法を検討してください。

Shopify payment(ショッピファイ ペイメント)とは

引用:Shopify ペイメント

Shopifyペイメントは、Shopifyが提供する決済サービスです。以前までは外部の決済サービスに登録して、各サービスのサイトで支払い確認などをしなければならず、非常に手間がかかっていました。

しかし、Shopifyペイメントの登場により、決済管理が効率よく行えるようになりました。Shopifyペイメントを利用すると、外部の決済サービスを利用しなくてもShopify上で決済サービスを管理できます。

利用できる決済サービスは下記の8種類です。

  • Visa
  • Master card
  • American Express
  • JCB
  • Diners Club
  • Discover
  • Shop Pay
  • Apple pay
  • Google pay

クレジットカードの世界的有名ブランドのほか、利用者が増えているApple payやGoogle payが利用できるのも嬉しいポイントです。

Shopifyペイメントを導入する6つのメリット

Shopifyペイメントを利用するメリットは、主に6つです。

  • 取引手数料が無料
  • 海外販売にも対応
  • 管理画面で支払額の確認可能
  • 審査不要で導入が簡単
  • 3Dセキュアによるセキュリティー対策が万全
  • 最短5営業日の入金サイクル

6つのメリットをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

取引手数料が無料

Shopifyペイメントのメリット1つ目は、取引手数料がかからないことです。Shopifyペイメントのカード決済手数料は、以下のとおりで、他社と比較すると最安基準の価格設定となっています。

  • 国内発行のカード:3.25%〜3.4%
  • 海外発行のカード ( American Express):3.8%〜3.9%
  • JCB 、Diners Club、Discover:4.05%〜4.15%

また、外部決済サービスを利用した場合は、契約プランによって0.5~2%程度の取引手数料がかかりますが、Shopifyペイメントはかかりません。Shopifyペイメントは取引手数料だけでなく、振込手数料や初期費用、導入費用も無料です。

海外販売にも対応している

Shopifyペイメントを利用すると、お客様は現地通貨で支払えるため、海外販売にも適しています。また、ストアの価格表示も、現在の為替レートで自動計算したものが表示されるので、越境ECを展開するうえでは非常に便利です。

Shopifyペイメント以外にも、外貨決済ができる外部決済サービスはありますが、ストア表示に反映できるサービスはなかなかありません。手間なく、簡単に海外展開できるのはShopifyペイメントの魅力のひとつです。

管理画面で支払額の確認ができる

Shopifyペイメントでは、Shopifyの管理画面で売上の支払い状況が確認できます。銀行口座に振り込まれた額や、次に支払われる額などを確認できるので、資金繰りにも非常に便利です。

また、支払い日を希望のスケジュールに設定できるので、仕入れや経費の支払いに合わせて調節できます。銀行口座に入金されると通知が届く設定もできるので、ECショップ運営におけるお金の管理の手間が省けます。

審査不要で導入が簡単

Shopifyペイメントの利用には、審査がありません。Shopifyの有料プランに移行し設定を完了すると、すぐに利用できます。

通常の決済サービスの利用では、数週間に及ぶ審査が必要です。ストアのオープンはすぐに行えるのに、決済サービスの審査待ちでオープンできないケースもよくあります。その点、Shopifyペイメントは審査待ちの心配なくすぐに利用できるので、審査待ちを理由にオープン日が遅れる心配はありません。

ただし、売上が一定額を超えると、代表者の運転免許証やパスポートなどの顔写真付き証明書による審査があります。また、JCBカードではカードブランド独自の審査があるため、利用までに数週間かかる点には注意が必要です。

3Dセキュアによるセキュリティ対策が万全

Shopifyペイメントは、3Dセキュア機能が自動的に適用されています。3Dセキュアとは、インターネット決済で使われる本人認証サービスです。

クレジットカードの不正使用防止に利用され、ヨーロッパでは事業者に対して3Dセキュア導入が義務化されています。Shopifyペイメントではこの3Dセキュア機能が標準で組み込まれているため、ストア側は特別な設定を行う必要はありません。3Dセキュアがあると、不正使用が起きたときのリスクも抑えられて安心です。

最短5営業日の入金サイクル

Shopifyペイメントでは、最短5営業日、最長でも11日後に売上金が入金されます。Shopifyペイメントでの支払い期間は「お客様の支払いが確定した日から5日間+ストアが設定した支払日までの残りの日数」です。

ストアは支払日を毎週または毎月のどちらかに設定でき、支払い曜日も月〜金曜日のなかで自由に決められます。例えば、毎週金曜日に支払われるように設定している場合は、水曜日に確定した売上は翌週の金曜日に、日曜日に確定した売り上げも同じ週の金曜日の支払いとなります。

金支払日
売上A
売上B売上A・Bの支払い

入金サイクルの早さは、特に立ち上げたばかりのストアにとって非常に重要です。

ただし、Shopifyペイメントの支払い確定期限が7日間と比較的短い点には、注意しましょう。注文から7日間以内に確定処理を行わないと、請求できなくなります。特に、商品の取り寄せなどで、発送までに時間がかかる商材を扱っている場合は気をつけないといけません。なお、Shopify Plusプランでは、支払い確定期限の延長もできます。

Shopifyペイメントのデメリット

次は、Shopifyペイメントを活用するデメリットを2つ紹介します。

  • クレジットカード情報を登録できない
  • コンビニ払い・キャリア決済・コード決済に対応していない

Shopifyを利用するなら「Shopifyペイメントは必須」といえるほど便利なサービスですが、良いところばかりではありません。詳しく見ていきましょう。

クレジットカード情報を登録できない

Shopifyペイメントでは、お客様のクレジットカード情報を保存する機能はありません。なぜなら、セキュリティ上の問題があるからです。

つまり、お客様は買い物するたびにカード情報を入力する必要があります。ただし、Shop Payを利用する場合は、カード情報を保存可能です。

Shop Payとは、お客様がShopifyで利用できる決済サービスです。Shop Payにメールアドレスやクレジットカード情報、配送先住所などを登録すると、他のShopifyストアでもその情報を引き継いで簡単に買い物ができます。

コンビニ払い、キャリア決済、コード決済に対応していない

Shopifyペイメントは、コンビニ払いやスマートフォンのキャリア決済、コード決済などに対応していません。そのため、Shopifyペイメントだけではクレジットカードを持っていないお客様や、カード情報の入力を面倒に感じるお客様の利用を逃すかもしれません。

そこで、KOMOJUやPaidyなどの決済サービスも活用すると、コンビニ払いやコード決済などの決済方法にも対応できるようになります。

ECサイトに導入したい決済方法ランキング

おすすめの決済方法を、ランキング形式でお伝えします。1位〜3位は下記の通りです。

1位:クレジットカード

2位:PayPay(オンライン決済)

3位:楽天ペイ(オンライン決済)

おすすめの理由や利用者の特徴を説明していきます。

1位 クレジットカード

ECサイトにおすすめの決済方法第1位は、クレジットカードです。

SBペイメントサービス株式会社が行った、10〜80代の男女2,502人を対象とした調査(以後、同調査)によると、男女ともに60%以上の人がECサイトでよく使う決済サービスにクレジットカードを挙げています。半数以上のユーザーが利用している決済は他にないため、ECサイトでは必須の決済手段だといえます。

2位 PayPay(オンライン決済)

引用:PayPay

PayPayは、PayPay株式会社が運営する決済サービスです。5,800万人の方が登録しています。

先の同調査でもECサイトでよく使う決済サービスとして、男女ともに約25%の人が選びました。PayPayはポイント還元キャンペーンなどを頻繁に行っており、PayPayを導入するとキャンペーンを利用した販促が行えます。また、PayPayはクレジットカードがなくても利用できるため、クレジットカードを持っていないお客様による購入も見込めます。

3位 楽天ペイ(オンライン決済)

引用:楽天ペイ

おすすめの決済第3位は楽天ペイです。楽天ペイは、国内最大のECモール楽天市場を運営する楽天グループの、楽天ペイメント株式会社が提供する決済サービスです。ユーザーは楽天IDを利用して登録できます。

楽天ペイの登録者数は非公開ですが、楽天会員数は1億人と公表されています。楽天ペイを導入すると、楽天のポイントを貯めたり使ったりしたい顧客を取り込めます。

また、クレジットカード情報を入力する手間が省けるので、カゴ落ち防止にもなります。特に10代女性は物販での楽天ペイの利用率が高い(同調査)ので、この顧客層を念頭においているECストアでは楽天ペイの導入がおすすめです。

顧客の年代や性別といった属性によって、よく使われる決済サービスも異なります。上記のランキングを参考に、自社の顧客層に合う決済サービスを検討してください。

Shopifyで利用できるShopifyペイメント以外の決済方法

Shopifyでは、Shopifyペイメント以外の決済方法も導入できます。

導入できる決済方法と特徴は下記の通りです。複数の決済方法をまとめて導入できる、決済代行会社も紹介します。

決済方法特徴
PayPal(ペイパル)海外での利用率が高いShopify初期設定で導入されている外部サービス取引手数料が無料
Amazon Pay(アマゾンペイ)Amazonアカウントを利用して決済できるShopifyでは無料で導入可能
携帯キャリア決済クレジットカード不要代金未回収のリスクがない
Paidyメールアドレスと電話番号のみで利用可能コンビニ払いできる未払時の補償あり
NP後払い後払いサービスシェア1位クレジットカード不要高精度の与信システム
NP掛け払いBtoB向け請求書発行、入金管理、督促なども請負可未回収100%補償
atone後払いサービス業界最低水準の決済手数料(1.9%~)未払時の補償ありデジタルコンテンツでの利用可
Smartpay60以上の銀行から即時引落可分割手数料無料最短1日で実装可
後払い.com10種類以上の決済手段請求業務代行あり未回収100%補償
決済代行会社特徴
SBペイメントサービス(SBPS)PayPayを含む複数決済方法の導入業界最安水準のカード決済手数料3Dセキュアなどのセキュリティオプションあり
KOMOJU多通貨決済可国外決済方法も導入できる初期・月額料0円
GMOペイメントゲートウェイ手厚いサポート幅広いセキュリティ対策毎秒数百件の処理ができる決済システム処理機能

先の章でおすすめしたPayPayや楽天ペイはそれぞれ個別に契約する方法と、表にあるような決済代行会社を利用する方法があります。複数の決済方法の導入を検討している場合は、決済代行会社へ依頼すると手続きがまとめられ、手間と時間を節約できます。

Shopifyペイメントの導入事例

Shopifyペイメントの導入事例を2社紹介します。

  • アパレル系ECでの事例「grounds」
  • 食品系ECでの事例「南三陸うたつ 丸栄水産」

Shopifyペイメント導入の参考にしてください。

アパレル系ECでの事例「grounds」

(引用:grounds

groundsは海外でも人気が高い、日本発のスニーカーブランドです。ECでの販売をメインとしており、立上げ時からShopifyを利用しています。

決済方法はShopifyペイメントで利用できるもののほか、Amazon Pay、PayPal、Paidyの利用が可能です。運営者の方はShopifyペイメントを選んだ理由を、「支払いの回転期間が短いこと」(「商品売るならShopify」より引用)としています。特に創業時には現金の回転が重要になるため、最短5日で支払われる仕組みは魅力的です。

一方で、クレジットカードを持たない顧客へのフォローは課題ともおっしゃっていました。同社の中心的顧客の20代前半のお客様からは、コンビニ決済などの非クレジットカード決済に関する問い合わせが多くあったそうです。現在はPaidyを導入したことで、コンビニ決済や銀行振込みにも対応しています。

食品系ECでの事例「南三陸うたつ 丸栄水産」

(引用:南三陸うたつ 丸栄水産

Shopifyペイメントを利用し、Shop Payの登録を積極的にお客様に促している事例を紹介します。三陸の海産物を販売する丸栄水産で導入している決済は、Shopifyペイメントのほか、Amazon pay、代金引換、後払い(コンビニ・郵便局)です。

Shopifyペイメントのデメリットでお伝えしたように、Shopifyペイメントではカード情報を都度入力しなければなりません。しかし、Shop Payを利用してもらうと、2回目以降はカード情報や送付先住所の入力が不要になります。ストアとしてはリピーターになってもらうため、2回目以降も便利に買い物できるとアピールできるとより良いです。

同店ではShop Payに関するページを設け、丁寧な説明を行っています。Shop Payを利用してもらうと、ストアと顧客双方にとってメリットとなるため、同店のように積極的にShop Payをアピールするのも有効です。

Shopifyペイメントの導入と設定方法

ここからは、Shopifyペイメントの導入と設定方法を説明します。大きくわけて、下記4つのステップで行います。

  • Shopifyペイメントを有効にする
  • 必要事項を入力する
  • 「Shopify ペイメントを有効にする」をクリックして完了
  • Shopifyペイメントのオプションを設定する

非常に簡単なので、Webの知識がなくても心配いりません。

Shopifyペイメントを有効にする

Shopifyの管理画面から設定のページを開きます。次に項目の中の「決済」をクリックし、「Shopify ペイメントを有効にする」を選択します。すでに他のクレジットカード決済サービスを利用している場合は「プロバイダを変更する」からShopifyペイメントを有効にできます。

Shopifyペイメントを有効にすると、登録済みのクレジットカード決済サービスは削除されます。また、Shopifyでは支払いを受ける通貨を設定できます。設定した通貨は、商品価格やレポートでも使用されるので事前に決めておきましょう。

必要事項を入力する

次に、ビジネスの詳細や個人情報、入金する銀行情報などの必要事項を順番に入力します。銀行などからの確認のため、法人の住所は登記されている住所を入力しましょう。

Shopifyペイメントの利用規約上、個人情報には代表取締役のような会社を法的に拘束する権利を持つ人の情報が必要です。売上が一定額以上に到達した時点で行われる審査では、この個人情報に記載した人の顔写真付き身分証を提示しなければいけません。身分証と氏名などが異なると審査に時間がかかるため、正しく入力しましょう。

「Shopify ペイメントを有効にする」をクリックして完了

入力を終えたら「確認用に送信」をクリックして2段階認証を有効にすると完了です。決済画面の決済サービス欄にShopifyペイメントが表示されていれば、設定が有効になっています。

Shopifyペイメントのオプションを設定する

Shopifyペイメントでは、複数のオプションを設定できます。主に必要になるのは下記の項目です。ストアの状況に合わせてオプション設定を行いましょう。

設定項目詳細
支払いの通知支払いが銀行に送信されたときに行われる通知のオン・オフを設定できる
銀行取引明細書の表記変更銀行取引明細書にShopifyと入る文字を、ストア名などに変更できる
住所確認システム (AVS) の設定クレジットカード会社に登録されている情報と請求先の情報が不一致の場合に、注文を取り消すか否かを設定できる
セキュリティコード (CVV)の設定クレジットカードのセキュリティコード不一致による注文取消しの設定ができる

Shopifyペイメントの導入後はテスト決済で確認する

Shopifyペイメントの設定が完了したら、テスト決済をして正常に動作するかを確認します。テスト決済を行うには、Shopifyの管理画面でテストモードを有効にしなければなりません。

テストモードの設定は以下の通りです。

  1. 管理画面にて「設定」→「決済」の順に進める
  2. 決済画面のShopifyペイメントにある「管理する」をクリックする
  3. テストモード画面の「テストモードを使用する」にチェックを入れて「保存する」をクリックして保存する

テストモードに設定したあとは、ECストアに移動して、商品をカートに入れて決済画面に進みます。Shopifyではテスト用のクレジットカード番号が用意されているので、必ずテスト用のクレジットカード番号を使いましょう。

カード情報は「Shopify ペイメントのテスト」ページで確認できます。テスト用クレジットカード情報を入力し支払いが完了すると、管理画面でテスト注文の情報が表示されて、Shopifyペイメントの設定ができていることがわかります。

カード情報入力エラーで表示される内容を確認したい場合は、Shopifyが用意したエラー用のクレジットカード番号が利用可能です。こちらもテスト用と同じShopifyの公式サイトに「失敗した取引のシミュレーションを行う」の項目で記載されていますので、ご確認ください。

まとめ

Shopifyペイメントのメリットやデメリット、導入方法などを説明しました。ShopifyでECショップを運営する際は、Shopifyペイメントの活用がおすすめです。

ShopifyペイメントだけでもECショップ運営の準備は整いますが、決済方法を充実させるとカゴ落ち防止にもなります。顧客層のニーズに応じて、必要な決済方法を追加し、顧客にとって買い物しやすいECショップを目指しましょう。

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