ECストアの集客には、成果報酬型のアフィリエイト広告が効果的です。Shopifyストアでは、アフィリエイト広告もアプリを利用して簡単に実施できます。
この記事では、アフィリエイト管理アプリの導入方法や、ASPを使わずに自社でアフィリエイトを行う方法など、Shopifyでアフィリエイトを行う方法を説明します。Shopifyアプリストアで評価が高いアプリも紹介しますので、アフィリエイトを始める際の参考にしてください。
アフィリエイトとは？
アフィリエイトとは、成果報酬型のWeb広告のひとつです。1990年代初頭にAmazonが始めたとされ、インターネットが普及するとともに多くの企業がアフィリエイトを利用するようになりました。
現在アフィリエイトサービスの市場は右肩上がりで、今後もアフィリエイトを活用した広告手法が注目されると考えられます。
一般的なアフィリエイトの仕組みは下記の通りです。
- アフィリエイターがブログやSNSで商品を紹介する
- 紹介を見たユーザーが商品を購入したりサービスの利用したりする
- 事業者はアフィリエイターに報酬を支払う
アフィリエイトの普及によって悪質な業者も出現したため、消費者庁は2022年に景品表示法に基づく指針を改訂し、行政ガイドラインにアフィリエイトに関する事項が追加されました。アフィリエイト市場の成長に向けて、広告の健全化がますます進んでいくと思われます。
Shopifyストアがアフィリエイトを活用するメリット
Shopifyストアがアフィリエイトを活用するメリットは、以下の3つです。
- 集客チャネルを増やせる
- 知名度や認知度の拡大が期待できる
- 他の広告よりも費用対効果が高い
それぞれ具体的に見ていきましょう。
集客チャネルを増やせる
アフィリエイトは、アフィリエイターが運用するブログやWebサイト、SNSで展開されるため、自社以外の集客チャネルを増やせます。アフィリエイターによっては、ジャンルや業種別に複数のチャネルを運用しており、ニッチな商材でも効率よくユーザーにアプローチできます。
知名度や認知度の拡大が期待できる
多くのアフィリエイターに参加してもらえば、人の目に留まりやすくなります。初めてその商品を知った人も、いろんなアフィリエイターが紹介する記事やサイトを見ると、徐々に認知度が高まっていくでしょう。
また、インフルエンサーの活用も、知名度や認知度の拡大におすすめです。多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーが紹介すると、フォロワー自身がその商品やサービスについて広げてくれる可能性があります。このようにWebやSNSで目にする機会が増えるほど、知名度と認知度は上昇します。
他の広告よりも費用対効果が高い
アフィリエイトは成果報酬型広告のため、他の広告に比べて費用対効果が高くなります。商品の購入やサービスの登録のような特定のアクションが起きた場合に報酬が発生するので、効果がないのに広告費が発生することはありません。
また、効果が高いアフィリエイターやWebサイトを分析し、特化した施策の実施もできます。広告の効果を可視化でき、スピーディーに次の戦略を実行できる点も、他の広告と比べて費用対効果が高い要因です。
Shopifyストアがアフィリエイトを活用するデメリット
次は、Shopifyストアがアフィリエイトを実施するデメリットを見ていきましょう。
- 自社が望まない形で掲載される恐れがある
- ASPの利用コストがかかる
上記2つのデメリットを詳しく説明します。
自社が望まない形で掲載される恐れがある
アフィリエイトは、アフィリエイターが運営する多数のWebサイトやSNSに掲載されるため、掲載内容を細かくチェックできません。事業者からバナーや表現方法を指定しても、事業者がチェックしきれない以上、予期せぬ形で掲載されるリスクがあります。インターネットでは、過激な表現が注目されやすいこともあり、事業者側は注意が必要です。
ASPの利用コストがかかる
ASPとは、アフィリエイターと事業者を仲介するサービスです。ASPを利用する場合は、アフィリエイターへの報酬とは別に、初期費用や月額利用料が発生します。月額利用料はシステム使用費といった名目で、成果のありなしに関わらず定額でかかります。料金はだいたい月額3万〜5万円が相場です。
この他、アフィリエイターの成果報酬額にASP手数料が上乗せされます。上乗せ率は30％前後で設定しているASPが多数です。ASPを利用すると、アフィリエイターの募集や管理の手間もなく、データ解析ツールを利用できる利点もありますが、定額で発生する費用に注意が必要です。
Shopifyストアでアフィリエイトを始める方法
Shopifyストアでアフィリエイトを始める方法を説明します。
アプリを使わずに始める
アプリを使わずにShopifyでアフィリエイトを実施するには、liquidなどのコードの知識が必要です。ASPで発行されたタグを、Shopifyのliquidファイルに書き込む必要があります。
書き込む場所やコードを間違う可能性もあり、慎重さが要求される非常に手間がかかる作業です。コードの知識がある方以外にはおすすめしません。
アプリを使って始める
Shopifyには、アフィリエイトを管理するアプリが複数あります。Shopifyアプリストアでアプリを選び、インストールして利用します。
インストールはクリックだけで完了するため、非常に簡単です。無料プランや無料体験期間が設けられているアプリもあるので、まずはそうしたアプリで試すのもいいでしょう。
Shopifyでアフィリエイトを始めるならアプリ利用がおすすめ
Shopifyでアプリを利用してアフィリエイトを行うと、次のメリットがあります。
- 複数ASPの管理が一元化できる
- ASP側の変更による管理が不要
- 正確なタグを使用できる
詳しく見ていきましょう。
複数ASPの管理が一元化できる
複数のASPを利用すると、多くのアフィリエイターにアプローチできますが、各ASPの管理画面で管理するのは大変煩雑です。Shopifyでは複数のASPをまとめて管理できるアプリがあり、Shopifyの管理画面で一元管理できます。画面を行き来せずに管理できるので、作業の効率化にもなります。
ASP側の変更による管理が不要
アプリを使用すると、ASP側で仕様変更があった際のメンテンナンスが不要です。ASPの仕様変更によるアフィリエイトタグ修正などは、アプリが行ってくれます。
アプリを導入していない場合は、都度手作業でメンテナンスしなければならないため、手間がかかるうえに間違えるリスクもあります。メンテナンスをアプリに任せられるのは、非常に便利です。
正確なタグを使用できる
アプリを利用してアフィリエイトを行うと、ASPとアプリが連携し正確なアフィリエイトタグが設置できます。手動でのタグの埋め込みは、埋め込み箇所を間違えたり、タグの記載を間違えたりするリスクが高くなります。
タグの設置を間違えると、アフィリエイターに報酬が支払われないトラブルにつながるため、正確にタグを設置できるアプリの利用がおすすめです。
アフィリエイト管理アプリの種類
アフィリエイト管理アプリは、大きく分けて以下の2タイプです。
- ASPを介さない自社アフィリエイトタイプ
- 複数のASPをまとめて管理するタイプ
2つの違いを説明します。
ASPを介さない自社アフィリエイトタイプ
1つ目はASPを使わずに、自社でアフィリエイトを行うためのアプリです。ASPの月額料金を節約でき、低コストでアフィリエイトを始められます。アフィリエイターを自社で選定したい場合や、インフルエンサーを活用したい場合に最適です。
複数のASPをまとめて管理するタイプ
2つ目は、ASPの利用を前提とした、それぞれのASPを一元管理するためのアプリです。連携できるASPがアプリによって異なるため、利用予定のASPが管理できるか事前に確認しましょう。各ASPとの契約も一括で行えたり、アフィリエイト以外の広告も管理できたりするアプリもあります。
Shopifyで利用できる高評価のアフィリエイト管理アプリ
Shopifyアプリストアで高評価のアフィリエイト管理アプリは、以下の5つです。
- まるっと集客
- Affitch
- Refersion
- LeadDyno
- GOAFFPRO
アプリを選ぶ際の参考にしてください。
まるっと集客
まるっと集客は、日本の株式会社ハックルベリーが提供するアプリです。ASPを管理するアプリで、大手を含む数社と提携しています。
アフィリエイトだけでなく、Google広告やFacebook広告などにも対応しており、ECストアの集客の一括管理が可能です。費用は完全成果報酬型で、アプリ利用の定額費がかかりません。日本語でのサポートが受けられるのもポイントです。
Affitch
Affitchは自社アフィリエイトができるアプリです。日本の株式会社Tabi Paletteが提供しています。
初期費用はなく、プランはFreeプラン、Standardプラン、Proプランの3つから選べます。Proプランでも月額49米ドルなので、ASP費がかからないことを考えると、非常に低コストで運用できるでしょう。日本語でのサポートも受けられるため、初めて自社アフィリエイトを実施する場合におすすめです。
Refersion
Refersionはアメリカ企業が提供する自社アフィリエイトのアプリです。Shopifyアプリストアでの評価は4.8と非常に高く、世界中で利用されています。
Refersionにはアフィリエイターを探すところから、報酬の支払いの自動化までアフィリエイト管理業務を効率化できる機能が揃っています。特に報酬の支払いは、アフィリエイターが増えれば増えるほど業務が煩雑になるので、自動化できるのは大きな利点です。
プランはパーソナル、ビジネス、エンタープライズの3つがあり、月額$119〜となっています。14日間の無料期間があるので、操作方法などを試せます。
LeadDyno
LeadDynoはカナダの法人が提供する自社アフィリエイトのアプリです。特徴は高いカスタマイズ性にあります。例えば、アフィリエイトへの報酬として商品やクーポンを渡して、現金以外で支払えます。
サービスプランはパーソナル、ビジネス、エンタープライズの3種類で、月額$119〜です。30日間の無料期間があります。
GOAFFPRO
GOAFFPROは、インドに拠点を置く企業が提供する自社アフィリエイトのアプリです。無料プランとプレミアムプランがあり、プレミアムプランは月額$29で利用できます。自社アフィリエイトに必要な機能が揃っており、無料プランでも無制限でアフィリエイトを行えるのが特徴です。
また、アフィリエイトへの報酬にさまざまなオプションも付けられます。例えば、販売数だけでなく、収益や販売手数料に応じたボーナスを設定するなどです。アプリの操作画面もシンプルでわかりやすく、メールへの返信も早くて適格と高評価を得ています。
Shopifyでアフィリエイト管理アプリを導入する手順
Shopifyでアフィリエイト管理アプリを導入する手順を紹介します。ここではすでにShopifyストアを開設しているという前提で「まるっと集客」を例に説明します。
アプリをインストールする
Shopifyアプリストアから、利用したいアプリを探しインストールします。「インストール」をクリックすると、画面が自ストアの管理画面に移動します。
「アプリをインストール」をクリックすると、利用規約が表示されるので同意して進みます。
広告を出すASPを選び申請する
次に実施する広告を選択する画面が表示されるので、使いたい広告を選びます。
同じ画面でGoogleリスティング広告やGoogleディスプレイ広告、Facebook広告の選択も可能です。広告を選択して次へ進むと会社情報の登録画面に移りますので、情報を記入して登録します。
ASP審査待ちの間にDNS設定を行う
広告の申し込みを行うと、ASP側での審査が行われます。審査には5〜10日かかるため、その間にASP経由の購入を計測するためのDNS設定を行いましょう。
DNS設定はドメインを管理しているサーバーで行います。詳しい設定方法は、まるっと集客のFAQページに掲載されていますので、そちらを参照してください。
広告する商品のバナーや商品情報を登録する
審査期間中に広告する商品のバナーを用意しておくと、スムーズに広告が始められます。バナーのサイズはASPによって規定が異なりますので、各ASPのサイトなどでご確認ください。
審査に通ったら、オファー登録（商品情報登録）を行います。ASPによっては、担当者から連絡がありオファー登録について説明を受ける場合もあります。商品情報の載せ方は各ASPで規定があるため、規定に沿った情報を入力しましょう。
ASPにて成果計測テストの実施
最後に、成果計測が問題なくできているかを確認するため、ASP側にて成果計測テストを実施します。実施方法はASPによって異なりますので、各ASPの指示にしたがって進めてください。
アフィリエイト広告の開始
成果計測テストで問題がなければ、設定した広告掲載期間に合わせて広告が開始します。アフィリエイト開始後は定期的にレポートを確認しましょう。
まるっと集客でレポート表示できるASPは下記の3つです。
- バリューコマース
- AccessTrade
- A8
サイトごとのクリック数やCV率を確認することもできますので、データを広告運用に活かしていくといいでしょう。
自社でアフィリエイターを募集する方法
自社アフィリエイトを実施する場合、アフィリエイターを募集し採用しなければなりません。アフィリエイターを募集する方法は主に2つです。
- ストアやSNSで募集する
- 顧客にオファーする
自社アフィリエイトを実施する際の参考にしてください。
ストアやSNSで募集する
（引用：アニメイト）
募集方法のひとつは、ストアやSNSで呼びかけることです。アニメやゲームなどを販売するアニメイトでは、自社ECストアでアフィリエイターの募集を行っています。
アフィリエイターでなくても、個人ブログを運営している人は多くいるので、そうした人たちにアプローチするのも有効です。ストアに掲示する際には、フッターのようなアクセスしやすい場所にリンクを設置しましょう。
募集ページでは、アフィリエイトの仕組みや報酬額など丁寧な説明に説明します。自社SNSのフォロワーに、繰り返しアプローチするのも効果的です。何度も繰り返し告知すると、はじめは興味がなかった人も徐々に関心を寄せるようになります。
顧客にオファーする
既存客に商品の宣伝をオファーする方法もあります。メール登録やDMを利用してアフィリエイト募集の告知を行います。既存客であれば、商品やサービスをよく知っているため、良いものを広めたいと考えてくれる顧客も少なくありません。
また、商品やサービスに愛着をもっている顧客であれば、ストアのイメージに反する広告となるリスクも低減します。
まとめ
Shopifyでアフィリエイトを行う方法について説明しました。Shopifyでアフィリエイトを行うときは、アプリを利用しましょう。
ASP利用でも自社アフィリエイトでも、アプリによって管理や運用が非常に楽になります。トラッキングタグの管理なども不要で、人為的ミスによるトラブルも防止できます。初期費用や月額費がかからないASPやアプリもありますので、まずはリスクの少ないところから試験的に行ってみるといいでしょう。
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