Shopifyストアを運営していて、次第に規模が拡大してきたタイミングで、自社ストアのモバイルアプリ化を検討する方もいらっしゃるでしょう。自社ストアをモバイルアプリ化すれば、さらにECビジネスを成長させられる可能性があります。
今回は、Shopifyストアをアプリ化するメリット・デメリット、アプリ化する方法、事例などを紹介します。Shopifyストアをアプリ化したい事業者の方は、ぜひご覧いただきストア運営のお役に立ててください。
Shopifyストアはモバイルアプリ化できる?
Shopifyでは、作成したストアをモバイルアプリ化し、Apple StoreやGoogle Playを通じてユーザーへ展開可能です。
ECサイトをアプリ化すると、ホーム画面上にショートカットができるため、Webサイトよりも手軽にストアにアクセスできます。さらに、ストアのキャンペーンや新商品のプロモーションなどを、直接的かつ効率的にユーザーへアプローチできるのが魅力です。
Shopifyストアをアプリ化する4つのメリット
Shopifyストアをアプリ化するメリットは、以下の4つです。
- ユーザーの利便性が向上する
- 販売チャネルを増やせる
- エンゲージメントや顧客体験の向上につながる
- 実店舗とオンラインの相乗効果を狙える
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ユーザーの利便性が向上する
前章でも触れていますが、アプリ化するとスマホのホーム画面から直接ストアへアクセスできるため、商品検索や購入がWebサイトのときよりも手軽に行えます。また、モバイルアプリは、一般的にはウェブブラウザよりも動作が早く、データ読み込みにかかる時間を軽減できます。そのため、ユーザーはストレスなく買い物を楽しめるのが、メリットです。
販売チャネルを増やせる
今まで商品の販売、PRに使用していたWebサイトやSNSに、さらにアプリが加わり、販売チャネルを増やせます。するとWebサイトやSNSだけを使用していたときは届かなかった顧客層にも、自社の商品を届けられる可能性が高くなります。
また、スマートフォンをいつも手にしている方は多く、アプリ化すると、ユーザーがストアにアクセスする回数が増えて、リピーターの増加が期待できるのも魅力です。
エンゲージメントや顧客体験の向上につながる
ストアをアプリ化すると、ストアに関するお知らせやキャンペーンなどをプッシュ通知機能で発信できます。プッシュ通知はリアルタイムで配信できるため、ユーザーの注意を引いて商品やブランドへの関心を高められるのが特徴です。
プッシュ機能を活用すると、カゴ落ち情報や商品の再入荷情報、おすすめ商品などを発信でき、ユーザーがストアにアクセスするきっかけづくりができます。
実店舗とオンラインの相乗効果を狙える
実店舗とオンラインの両方で商品販売している場合、店舗でのプロモーションやセール情報をアプリ経由で発信できます。また、実店舗の利用者には、来店時に直接アプリのダウンロードを促せます。
すると、実店舗の顧客をオンラインへ、オンラインの顧客を実店舗へ誘導してより濃いファンを作ることができ、リピーターの増加や売上向上が期待できるのがメリットです。
Shopifyストアのアプリ化で生じる3つのデメリット
Shopifyストアをアプリ化するデメリットは、以下の3つです。
- 開発コストがかかる
- アプリをダウンロードしてもらうまでのハードルが高い
- OSアップデートによる保守対応が必要
アプリ化するとリピーターの増加や売上アップなどが期待できますが、Shopifyストアを運営する上で良いことばかりではありません。実際にアプリ化を進める前に、デメリットも確認しておきましょう。
開発コストがかかる
自社でアプリ化に関する業務を内製すればコストを抑えられますが、リソースがない場合は制作会社に外注しなければいけません。アプリの構築には、高額なコストがかかります。
また、アプリの運営には定期的なメンテナンスが必要で、その都度コストがかかります。アプリ化を進める前に、アプリの構築や更新にかかる費用を捻出できる予算があるかどうかを、十分に検討することが大切です。
アプリをダウンロードしてもらうまでのハードルが高い
モバイルアプリは、通常のWebサイトと異なり、ユーザーにインストールしてもらわなければなりません。そのためには、ダウンロードしてもらうための施策やプロモーションが必要となります。
さらにアプリをダウンロードすると、ユーザーのスマートフォン内のストレージが逼迫する恐れがあります。ユーザーが一度はダウンロードしてくれたとしても、容量の問題でアプリをアンインストールされると、自社ストアにアクセスしてもらえません。
そのため、アプリをダウンロードしてもらうまでの導線や、利用し続けてもらうための施策を考えることが重要です。
OSアップデートによる保守対応が必要になる
OSがアップデートされると、せっかく作成したモバイルアプリが正常に動作しなくなる恐れがあります。そのため、ECストアへの運営とあわせて、最新OSへの対応を永続的にしていかなければなりません。
OSアップデートが発生した場合のアクションプランや、保守対応を自社でやるか外注するかを事前に決めておきましょう。
Shopifyストアをアプリ化する方法は2通り
Shopifyストアをモバイルアプリ化する主な方法は、以下の2通りです。
- フルスクラッチ開発をする
- アプリをインストールする
それぞれのアプリ化する方法を詳しく見ていきましょう。
フルスクラッチ開発をする
フルスクラッチ開発とは、ソフトウェアやアプリケーションを一から全て開発する方法を指します。フルスクラッチは、機能や画面レイアウトを自社の自由に決められるため、競合他社と差別化しやすいのが特徴です。
Shopifyの商品情報の取得やカートへの商品追加、注文処理、顧客情報の管理などは、Shopifyが提供しているAPIを用いると実現できます。自由度の高いモバイルアプリを構築できますが、開発コストや工数が大幅にかかるため、予算や開発期間に十分余裕があるかを検討しなければいけません。
アプリをインストールする
フルスクラッチ開発よりも簡単な方法に、アプリをインストールしてアプリ化を進める方法もあります。Shopifyアプリストアには、ECストアをモバイルアプリ化するアプリビルダーが豊富に用意されています。
フルスクラッチ開発と異なり、開発コストや工数を抑えてアプリ構築できるため、低コストかつスピーディーなリリースが可能です。ただし、機能面や画面レイアウトは、アプリが定めている範囲から選択して作成するため、自由度は低くなります。
とはいえ、どのアプリもShopifyの利便性やデザイン性を損なわない仕様となっているため、アプリインストールによる対応でも問題ありません。
Shopifyストアのモバイルアプリ化でおすすめアプリ5選
Shopifyストアをアプリ化できるおすすめアプリを5つ紹介します。
- Appify
- Plobal Apps Mobile App Builder
- The Hulk Mobile App Builder
- Moblie App Builder
- Shopney
それぞれのアプリの特徴を詳しく見ていきましょう。
Appify
Appifyは、ShopifyストアをiOSとAndroidの両方に対応したモバイルアプリをノーコードで構築できるアプリです。Apple StoreおよびGoogle Playへの申請やアプリロゴ、アプリUIなどをすべてShopifyの管理画面上から設定できます。
アプリUIの操作は、Shopifyストアのテーマカスタマイズと同じようにデザインエディターから簡単に編集可能です。また、Shopify Flowを活用した再入荷通知配信や予約販売、実店舗で利用できるチケット発行など、マーケティング施策にも対応しています。
日本国内の各ジャンルのブランドも導入しており、2022年には国内のShopify Plus導入事業者の多くからインストールされた、信頼性の高いアプリです。
参考情報:Shopify Partner of the Year 2022 受賞者の発表
年額料金 | ベーシック:12,000米ドル エンタープライズ:24,000米ドル |
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特徴 | iOS/Androidのモバイルアプリをノーコードで構築できる Shopify Flowと組み合わせたマーケティング施策にも対応 2022年に国内のShopify Plus導入事業者から最もインストールされた |
Plobal Apps Mobile App Builder
Plobal Apps Mobile App Builder
Plobal Apps Mobile App Builderは、Shopify Plusの認定を受けた、ドラッグ&ドロップで簡単にショップアプリを構築できるアプリビルダーです。専用のデザインエディタからストアの雰囲気に合うデザインテーマを選んだり、画面レイアウトをストアイメージに合わせて置き換えたりできます。
また、HTMLやCSSなどを独自に改修し、より理想とするストアデザインにカスタマイズできる手段も用意されています。上位プランと契約すると、製品フィルター機能や決済手段の追加や、専任のサクセスマネージャーが配置されるなど、事業者を支えるサービスも利用可能です。
月額料金 | GROWTH:199米ドルESSENTIAL:499米ドルENTERPRISE1,199米ドル※30日間の無料体験あり |
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特徴 | ドラッグ&ドロップで簡単にショップアプリを構築できるHTMLやCSSなどをカスタマイズできる上位プランでは製品フィルターや決済手段を追加できる専任のサクセスマネージャーを配置できる |
The Hulk Mobile App Builder
The Hulk Mobile App Builderは、高度なコーディングスキルを必要としない、完全モバイル対応のアプリビルダーです。他のアプリと同様に、iOSとAndroidに対応しているため、すぐに各アプリストアへアプリを展開できます。
また、各SNSアカウント情報を利用してログインできる機能や、検索結果を最適化して商品を早く見つけられるなど、ユーザーに寄り添った機能が用意されています。
月額料金 | ベーシックプラン:70米ドル プロプラン:149米ドル PRO +プラン:249米ドル※15日間の無料体験あり |
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特徴 | iOS/Android両方のモバイルアプリを構築できる SNSアカウント情報を利用したログイン機能を搭載 |
Moblie App Builder
Moblie App Builderは、iOSおよびAndroid対応のモバイルアプリを最短30分で構築できるアプリビルダーです。アプリビルダーが用意している既存のテーマを活用すると、すぐにモバイルアプリ構築を実現できます。また、ウェブストアで組み込むようなカウントダウンタイマーやアナウンスバーなど、ユーザーへ訴求して商品の購入してもらうための機能が組み込まれています。
さらに、上位プランを契約すると、専門エンジニアがカスタマイズしてくれるサービスを提供しており、より細かく希望を叶えられるアプリを構築可能です。
月額料金 | 29米ドル 99米ドル 299米ドル ※14日間の無料体験あり |
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特徴 | iOS/Android両方のモバイルアプリを最短30分で構築できる カウントダウンタイマーやアナウンスバーなどの機能を組み込める 上位契約プランでは専門エンジニアにモバイルアプリをカスタマイズしてもらえる |
Shopney
Shopneyは、コードやデザインスキルがなくても、Shopifyストアを数分でモバイルアプリに変換できるアプリビルダーです。ファッション系やニッチなジャンルなど、さまざまな分野に対応したデザインテーマが系統ごとに用意されているため、事業のイメージに合うテーマを選べます。
ユーザーとコミュニケーションを取るためのアプリ内チャットを組み込めるため、会話を通じて購入意欲を促進し、売上アップにつなげられるのが魅力です。その他、モバイルアプリからのECビジネスを円滑に進める機能や、アプリの使い方や事業者の悩みを解決できるカスタマーサポートが用意されています。
月額料金 | SILVER PLAN:99米ドル GOLD PLAN:199米ドル PLATINUM PLAN499米ドル ※30日間の無料体験あり |
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特徴 | Shopifyストアを数分でモバイルアプリに変換できる さまざまな分野に対応したデザインテーマが用意されている アプリ内チャットを組み込める |
Shopifyストアのアプリ化事例
Shopifyストアを実際にモバイルアプリ化して、ビジネスを行っている事例として、以下の3つを紹介します。
- ANKER
- UNION TOKYO
- BAKE
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ANKER
ANKERは、世界100カ国以上に展開して、モバイル充電器やオーディオ、スマートホームなどを展開するハードウェアメーカーです。ANKERのモバイルアプリでは、絞り込み条件ごとに商品が分類されているため、ユーザーは欲しい商品を簡単に見つけられます。
また、アプリ内チャットからカスタマーサポートへの窓口を用意しており、商品や注文、配送に関する問い合わせができる仕組みです。アプリのダウンロード特典として、新規アプリログインで500円クーポンを発行する施策を打ち出し、ダウンロードへのハードルを低くさせる活動を行っています。
UNION TOKYO
UNION TOKYOは、ストリートファッションシーンの黎明期から人気を築き上げてきたセレクトショップ「UNION」が、2018年に東京にオープンした店舗です。UNION TOKYOのモバイルアプリでは、商品検索ページに以下の項目を配置し、ユーザーニーズに合わせた流入経路を用意しています。
- NEW RELEASE
- RESTOCK
- ALL
- CATEGORIES
- UNION ORIGINAL
- RECOMMEND BRANDS
- BRANDS
- PICK UP ITEMS
- SALE
商品数が多いストアのため、ユーザーがどの項目を選択すれば目的のページへ遷移できるかがわかるように、細かく分類されています。
BAKE
BAKEは、全国の駅構内や百貨店、商業施設などを中心に全国展開しているチーズタルト専門店です。BAKEのモバイルアプリでは、商品検索ページにブランド一覧やキャンペーン、送料無料の商品をカテゴリごとに分類しています。
他の事例と異なる点は、BAKEは大口注文が可能な商品のため、専用の導線がトップページに用意されているところです。流入先はShopifyストア側となっており、モバイルアプリを起点として、ストアへの導線を確立しています。マイページには会員証機能が組み込まれており、実店舗で商品を購入する際に金額に応じたポイントを獲得してユーザーの購入意欲を促進させています。
まとめ
Shopifyストアをモバイルアプリ化すると、ユーザー体験を高めると同時に、自社の製品やおすすめ情報を効率よく配信可能です。アプリをインストールしてもらうハードルは高いかもしれませんが、アプリの導入により事業規模をさらに拡大させていけるしょう。
Shopifyストアのモバイルアプリ化は、アプリ構築のためのアプリを利用すると、比較的簡単かつ低コストで実現できます。Shopifyストアのモバイルアプリ化も、今後のビジネス戦略の候補の1つとして検討すると良いでしょう。
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フルバランスは、Shopify公式認定パートナーとして、企業のShopify導入を支援しています。システム開発がメインの会社のため、Shopify Plusのカスタマイズに強く、売上最大化を目指すECサイト構築のサポートが可能です。
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