Shopifyでストアを作成するとドメインは自動的に付与されるため、独自ドメインを設定しなくても運用できます。独自ドメインは、ブランドイメージの向上やSEO対策にも効果的です。
「独自ドメインの取得方法が分からない」
「すでに独自ドメインは持っているがShopifyに接続する方法が分からない」
「そもそも独自ドメインを設定する理由を知りたい」
そんな方に向けて、Shopifyストアを独自ドメインに変更する方法や、既存の独自ドメインをShopifyに移管する方法、メリットなどを詳しく解説します。海外ドメインの設定も説明していますので、越境ECをご検討されている方もぜひ参考にしてください。
Shopifyストアを独自ドメインに変更する方法
Shopifyストアを作成すると、最初に「◯◯.myshopify.com」というドメインが付与されます。デフォルトから独自ドメインに変更する場合は、新しく独自ドメインを取得する、もしくは他サービスで取得した独自ドメインをShopifyに設定する必要があります。
- 独自ドメインをまだ取得していない場合
- 他サービスで独自ドメインを取得済みの場合
上記2つのパターン別に、Shopifyストアを独自ドメインに変更する方法を見ていきましょう。
独自ドメインをまだ取得していない場合
独自ドメインをまだ取得していない場合は、Shopifyまたは外部のプロバイダーでドメインを購入します。Shopifyでドメインを購入すれば、簡単に自動接続できます。Shopifyでドメインを購入する手順は、以下の通りです。
1. 管理画面の「設定」→「ドメイン」を選択する
2. 「新しいドメインを購入する」をクリックする
3. 購入するドメインを入力する
入力したドメインがすでに使われていると「利用できません」と表示されるので、新しいドメイン名を入力しましょう。
使用したいドメイン入力が終わったら「ドメインを購入」をクリックします。その際「◯◯.net」「◯◯.store」など拡張子によって価格が異なる場合もあります。
4. 住所や規約を確認して「ドメインを購入」をクリックする
1年後に料金を自動更新する場合は「毎年自動更新」にチェックをつけます。個人情報を入力後に規約を確認して、下記のメッセージが表示されているかも確認しましょう。
「このドメインはWHOISプライバシー(あなたの個人情報がパブリック登録ドメインに表示させないためのサービス)に含まれます。」
個人情報をパブリック登録ドメインに表示されたくない場合は、対象となる拡張子に変更してください。購入が完了すると、Shopifyから確認メールが届きます。
Shopifyストアは、初期設定で自動的にSSL対応となり、SSL証明書が発行されます。ドメインがストアに反映されるまで、管理画面の「ドメイン」ページに「SSL保留中」と表示されます。ドメインの設定後48時間を過ぎてもSSL認証書が発行されない場合は、設定を見直してみましょう。
他サービスで独自ドメインを取得済みの場合
他サービスで独自ドメインをすでに取得している場合は、Shopifyストアとお持ちの独自ドメインを接続します。Shopifyに接続するには、購入したプロバイダーにShopifyのIPアドレスやCNAMEレコードを設定する必要があります。以下の手順で接続できます。
1.ドメインを購入したサイトにログインする
独自ドメインを取得したプロバイダーのWebサイトにログインし、ログイン後にDNSレコード設定のページを開きます。
2.ドメインを購入したサイトのDNS設定する
契約しているプロバイダーのDNSレコード設定から以下の2つを設定します。
- AレコードのIPアドレスを「23.227.38.65」に変更する
- wwwのCNAMEレコードを「shops.myshopify.com」に設定する
DNSレコードの変更方法は、利用しているプロバイダーによって異なるため、Webサイトに沿って設定をしてください。
3.Shopifyで外部ドメインを接続する
Shopifyの管理画面の「設定」→「ドメイン」から「既存のドメインを接続する」をクリックします。
すでに取得している他サービスの独自ドメインを入力し「次へ」を選択します。
ドメインがShopifyストアに接続されているかどうかは、管理画面の「ドメイン」→「接続を確認」から確認できます。最大48時間かかりますが、「接続済」と表示されていれば接続完了です。
4.プライマリードメインに設定する
プライマリードメインは、オンラインストアのアドレスバーに表示されるドメイン名です。Shopifyストアでは、プライマリードメインを1つしか使用できません。そのため、デフォルトの「◯◯.myshopify.com」から接続した独自ドメインをプライマリードメインに設定しましょう。
既存の独自ドメインをShopifyに移管する方法
すでに独自ドメインを取得して登録申請後60日が経過していれば、ドメインの移管ができます。独自ドメインをShopifyに移管すると、購入したプロバイダーで利用する必要がなくなります。
ただし、以下の注意点も移管する前に確認しておきましょう。
- ドメインの移管に関して追加費用が発生する可能性がある
- 元のドメインプロバイダーアカウントとメールアカウントへのアクセス権が必要
- メールアドレスが移管するドメインに属していないことを確認する必要
- 移管に最大20日間を要する場合もある
例えば、shopname.comを移管する際は、メールアドレスinfo@shopname.comの使用を避けなければいけません。
Shopifyにサブドメインを設定する方法
サブドメインとは、メインドメインの家の中にある部屋や場所を示すものです。サブドメインを設置すると、ユーザーが特定のページにすぐにアクセスできます。
メインドメイン | https://www.○○.com |
---|---|
サブドメイン | https://www.blog.○○.com |
表のようにメインドメイン直前に、種類や場所を表す任意の文字列を設定します。Shopifyで購入したドメインにサブドメインを設置する方法と、他サービスで取得した独自ドメインを接続してサブドメインを設置する方法を紹介します。
Shopifyで購入したドメインにサブドメインを設置する方法
Shopifyストアで購入したドメインは、サブドメインを合計20個まで追加可能です。Shopify Plusプランの場合は、合計1000個まで追加できます。
- Shopifyの管理画面から「設定」→「ドメイン」を選択する
- 設定するルートドメインを選択する
- 「サブドメイン」の「サブドメインを追加」をクリックする
- 追加する任意の文字列を入力して保存をクリックする(例:blog、wearなど)
- サブドメインのドメインタイプを変更する場合はサブドメイン名を選択する
- プライマリ・リダイレクト・エイリアスのいずれかを選択する
Shopifyで購入したドメインにサブドメインを追加すると、Shopifyの初期設定のCNAMEがDNS設定に自動的に追加されます。また、既存の独自ドメインをShopifyに移管した場合は、サブドメインも自動的に移管可能です。
他サービスで取得した独自ドメインをShopifyに接続した方法
他サービスで取得した独自ドメインをShopifyに接続した場合は、サブドメインも独自ドメインを購入したプロバイダーで、サブドメインを追加しておく必要があります。手順はサイトによって異なる場合がありますが、基本的な設定方法は以下の通りです。
- ドメインを取得したプロバイダーのサイトにログインする
- DNS設定ページで、任意の文字列を追加したサブドメインを入力する
- 「タイプ」または「レコードタイプ」フィールドにあるCNAMEレコード欄を見つける
- サブドメインのCNAMEレコードを「shops.myshopify.com」に設定し保存する
- Shopify管理画面の「設定」→「ドメイン」を選択する
- サブドメインが接続されているか確認するため「接続を確認」をクリックする
ドメインの確認には最大48時間を要する場合もあります。「接続済」と表示されていれば、問題ありません。
独自ドメインをメールにも設定する方法
Shopifyストアを運営する際、独自ドメインをメールにも設定することが重要です。独自ドメインをメールにも設定すると、ユーザーに信頼性のあるストアの印象を与え、お客様とのコミュニケーションが円滑になります。以下では、メールにも独自ドメインを設定する方法を説明します。
メール転送の設定
Shopifyでメール転送をする方法は以下の通りです。
- Shopify管理画面の「設定」→「ドメイン」をクリックする
- メール転送するドメインを選択する
- 「メール転送」の「転送メール追加」をクリックする
- 「転送メールアドレス」フィールドに転送メールアドレスを入力する
- 「メールアドレスを受信」フィールドに転送先のメールアドレスを@以降も含めて入力する
- 「保存」をクリックして完了する
転送メールアドレスを入力する際、nfo@◯◯.comというメールアドレスの場合「info」と入力します。Shopifyの管理ドメインで「転送メールアドレスを追加」と表示されない場合は、Shopifyサポートに問い合わせてください。
送信元アドレスを独自ドメインにする
Shopifyにはメールのホスティングサービスがないため、Zoho MailもしくはG Suiteのメールホスティングサービスで独自ドメイン対応のサービスを利用する必要があります。以下の設定をすると、送信元アドレスも独自ドメインに変更可能です。
- Shopify管理画面の「設定」→「ドメイン」をクリックする
- メール転送するドメインを選択する
- 「外部サービスのホスティングサービスを使用する」をクリックする
- プロバイダー名を選択する
- ドメイン認証時に提供されたコードもしくはメタタグを入力する
- 「保存」をクリックして完了する
Google Workspaceは、アカウントが1つでも同一料金で複数のメールアドレスを運用できます。また、Chromeブラウザかアプリでメールを使用できるため、PCやスマートフォンを買い替えてもメール設定は不要です。Zoho Mailは、月額120円から利用できるのでメール機能だけ利用したい場合におすすめです。
Shopifyのドメイン取得料金
Shopifyでドメインを取得する際にかかる料金は、トップレベルドメイン(.comなどのドット以降)によって異なります。なかには、初回登録時と更新時で料金が異なるものもあります。登録期間は1年間で、毎年更新が可能です。ただし、購入すると返金できないため、更新時の価格や更新日を必ず確認してから購入しましょう。
Shopifyのドメイン取得におすすめのプロバイダー
Shopify以外のサービスで、独自ドメインを取得するのにおすすめのプロバイダーを紹介します。紹介するプロバイダー以外の独自ドメインの取得に関しても、トップレベルドメインによって料金はさまざまで、基本的には1年で更新となります。
お名前.com
引用:お名前.com
お名前.comは、GMOグループが運用するドメインサービスです。ドメインの種類も豊富にあるうえ、年額540円のプランもあってリーズナブルです。ドメインの国内シェアNo.1という点でも、安心して利用できます。
ムームードメイン
引用:ムームードメイン
ムームードメインも、GMOグループが提供している大手のドメインサービスです。お名前.comとサービス内容は似ていますが、ロリポップ!のレンタルサーバーと合わせて契約すれば、人気ドメインが無料で利用できるなど、連携サービスが豊富です。
Shopifyで独自ドメインを使うメリット
Shopifyでストアを作成した時に付与される「.myshopify.com」から、有料の独自ドメインに変更するメリットを詳しく説明していきます。
ブランドイメージの向上
ドメイン名にブランド名と同じ文字列を使用すると、ユーザーに覚えてもらいやすくなり、ブランド名の認知拡大にも効果的です。ユーザーは多くの場合、そのECサイトがShopifyを使って作られていると認知していません。そのため、URLに「.myshopify」と表示されるとブランド名がわかりにくくなってしまいます。
SEO対策に効果的
ユーザーの多くは、Googleなどの検索エンジンを使用して商品を検索します。多くのユーザーの目にとまるには検索結果の上位に表示させることが重要です。
独自ドメインは、無料ドメインよりもSEO評価されやすくなっています。なぜなら、無料の他サイトと同じドメインを使用していると、検索エンジンでは一括りに判断されてしまうためです。一方で、独自ドメインを利用しているのは全て自社のコンテンツなので、ライバルがおらず自社のサイトだけで評価してもらえます。
すでにWebサイトを運用していて、新たにShopifyでストア運用を始める場合は、Webサイトの独自ドメインをShopifyに接続しましょう。接続しなければ、Shopifyページに遷移した際にドメインが変わり、これまでのSEO対策がゼロからのスタートになってしまいます。
ドメインを他のサイトにも利用可能
独自ドメインを取得すれば、オンラインストア以外のサイトを制作する際にも、同じドメインを利用できます。自社に関連するコーポレートサイトなどを展開したい時も、同一の独自ドメインを利用可能です。Shopify以外のプラットフォームでオンラインストアを再構築する際にも、利用していた独自ドメインを移せます。
Shopifyで独自ドメインを使うデメリット
独自ドメインを設定するにはメリットだけでなく、デメリットもあります。唯一のデメリットとして、独自ドメインを取得・維持するのに料金が発生する点です。
拡張子によって金額が異なり、買い切りではなく1年ごとにランニングコストがかかります。また、初回登録時より更新時の方が、値段が上がるものもあるので、初回料金や更新料などをよく確認してから購入しましょう。
Shopifyストアに海外ドメインは設定できる?
Shopifyストアに海外ドメインを設定するには、ベーシック以上のプランに加入しなければいけません。「準備しておくことを知りたい」「海外ドメインにはどんな効果があるのか」とお考えの場合は、次のポイントを抑えるとストアの目的に合った設定がスムーズに行えます。
海外ドメイン設定前に確認したいポイント
海外ドメインにはデフォルトの「myshopify.com」は使用できないため、独自ドメインを用意しなければいけません。また、複数の言語を使用する場合は、アプリを活用してストア内のコンテンツを翻訳する必要があります。
Shopifyストアに海外ドメインを使用するメリット
ある国や地域向けのドメインを設定することで、その地域の通貨や言語に最適なオンラインストアを作成できます。ユーザーに合わせた通貨や言語で表示されると、安心してお買い物ができるため購入する可能性が高くなります。
同じマーケット内で多くの国が含まれる場合は「ディープリンク」を使用して、ユーザーをその国や地域に適したサイトに誘導可能です。ただし、EU圏内では現地の法律上自動でリダイレクトしないため、互換性のあるアプリを使用して、EUのユーザーにも快適にお買い物できるようにしなければいけません。
Shopifyの独自ドメインに関する質問
Shopifyで独自ドメインを設定する際によくある質問を解説します。
Shopifyのサーバーセキュリティは安全?
Shopifyはサーバーのセキュリティに非常に優れており、安全です。Shopifyのサーバーは、2段階認証やSSL対策がデフォルトで実装されています。また、セキュリティシステムの国際規格のISO27001と、カード情報セキュリティの国際統一基準を満たすPCI DSSを取得しています。以上からShopifyは、信頼性とセキュリティに関して高い基準を満たしているため、サーバセキュリティは問題ありません。
Shopifyでドメインを購入できないときはどうすればいい?
Shopifyでドメインを購入できない原因はいくつかあります。なかでも多いのは、管理画面の言語が英語になっていないケースです。ここでの言語とは、ユーザーに表示する言語ではなく、アカウントオーナーの言語です。日本語から英語に変更する手順は以下の通りです。
1.Shopify管理画面の「設定」を開く
2.「ユーザーと権限」→「名前」をクリックする
3.「言語」から「English」を選択する
住所や氏名などすべてを英語に変更します。ドメイン取得が完了したら、また日本語に戻して問題ありません。住所と氏名が英語のままなので、忘れず戻しておきましょう。
独自ドメインでサイトの動作確認をしたいけどサイトを公開したくないときは?
Shopifyではストアにパスワードをかけると、パスワードを知っている関係者のみ閲覧可能で、サイトを公開せずに動作確認できます。ストアにパスワードをかける方法を説明します。
1.Shopify管理画面の「オンラインストア」→「各種設定」を開く
2.「パスワード保護」の項目にストアの閲覧用パスワードを設定する
3.「パスワードを有効にする」にチェックを入れる
4.ストアの閲覧用パスワードを入力して完了する
公開前にストアに訪れたユーザーに表示するメッセージは「ストア訪問者へのメッセージ」に、サイトのURLなどを入力するとリリースまでの期待感を高められます。
まとめ
Shopifyストアを開設すると「◯◯.mayshopify.com」のドメインが設定されていますが、独自ドメインに変更可能です。独自ドメインは、Shopifyもしくは任意のサービスで購入できます。
すでに他でWebサイトを運用されている場合は、ドメインを移管すればサブドメインも簡単に引き継ぐことが可能です。また、デフォルトのドメインは、海外ドメインとして設定できません。そのため、越境ECを運営する場合は、独自ドメインを用意する必要があります。
今回の記事を参考に独自ドメインでShopifyストアを運営し、ブランドイメージやSEO評価の向上に役立てましょう。
Shopifyで独自ドメインの設定や運用でお困りの方へ
Shopifyに独自ドメインを設定する方法は、そこまで難しくありません。しかし、独自ドメインの設定にかかる日数や前準備の計画を立てるなど、運用全体でお困りの方も弊社はサポートしています。
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