Shopifyのストア分析とは?メリット・できること・活用法を紹介

ECストアを運営するうえで、ストアの売上やユーザーの流入数などを把握することは重要です。データ情報が明確になっていないと、ユーザーを増やすための施策や商品開発を効果的に検討できません。

Shopifyには、ストアの注文情報やユーザー行動などを分析する機能が標準搭載されています。今回は、Shopifyのストア分析機能の概要や活用するメリット、分析機能の活用法などを紹介します。

Shopifyのストア分析機能について

Shopifyには、商品の販売売上やコンバージョン率、チャネル別売上などのサマリー情報を確認できるストア分析機能が搭載されています。ストアに蓄積されたデータをもとに、ユーザー行動やストアパフォーマンスを把握すると、今後のストア運営に活かせます。

Shopifyの契約プランに応じて利用できる分析機能が異なりますが、Shopifyで構築したストアであれば誰もが利用できるため、積極的に活用していきましょう。

Shopifyのストア分析機能を活用する3つのメリット

Shopifyのストア分析機能を利用するメリットは、以下の3つです。

  • Shopifyストアの業績を可視化できる
  • ストアに流入したユーザーの行動を把握できる
  • 収集したデータをマーケティング施策に活用できる

それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

Shopifyストアの業績を可視化できる

ストア分析画面のダッシュボードでは、日付範囲別の売上値や平均注文金額、ベストセラー商品などのデータを割合やグラフで確認できます。

また、他の指標も追加できるため、ストアのデータ分析状況に合わせて自由にカスタマイズすることも可能です。

ストアに流入したユーザーの行動を把握できる

ユーザーの行動を把握すると、ストアの強みをさらに生かせるだけでなく、ストアをより良い方向へ改善していけるでしょう。

例えば、ストアのコンバージョン率が低い場合は、商品購入までの導線で何かしらの不備があるのではないかという推測が立てられます。その場合、購入までのページ構成を最適化してユーザーが購入しやすい環境を整備可能です。

また、デバイスのタイプ別のセッション数からは、ユーザーがスマートフォンやパソコンなど何を使用してアクセスしているのかを把握できます。すると、ユーザーがよく使用しているデバイスに最適なデザインのストアにするなど、次の戦略が明確になります。

収集したデータをマーケティング施策に活用できる

業績の可視化とユーザー行動が把握できれば、商品の販売売上を伸ばすための施策を打ち出せます。

例えば、ベストセラー商品の売上を伸ばしていきたい場合、その商品のキャンペーン施策を打ち出して売上向上を狙えます。さらに、過去にその商品を購入したユーザーを把握して、お買い得商品の情報としてメールマガジンやLINE配信をして、コンバージョン率を高めることも可能です。

収集したデータは、ターゲットとなるユーザーに合わせたマーケティング戦略を検討する重要な要素となります。

Shopifyのストア分析機能でできること

Shopifyのストア分析機能には、以下2つの機能が用意されています。

  • レポート機能
  • ライブビュー機能

それぞれの機能でできることを詳しく見ていきましょう。

レポート機能

レポートは、各契約プランによって財務やアクティビティの状況などを確認できる機能です。具体的なレポートの種類は、下記表のとおりです。

レポート種類スターター/ベーシックスタンダードプレミアムShopify Plus
財務レポート
不正注文レポート
注文レポート
集客レポート
在庫レポート
行動レポート
マーケティングレポート
売上レポート
POS売上レポート
利益レポート
お客様レポート
カスタムレポート

引用:サブスクリプションプランで利用可能なレポート

それぞれのレポート種類について見ていきましょう。

(1)財務レポート

財務レポートは、ストア運営にまつわる財務情報を表示できる機能です。指定した期間内の売上や決済、負債、税金、配送などに関する数値の確認が可能となるため、財務状況を正確に確認できます。

(2)不正注文レポート

不正注文レポートは、不正注文の可能性があるデータや、不正注文と確認されたデータを集計して表示する機能です。高リスクとしてフラグ付けされた注文の割合や、不正注文を理由にキャンセルされた注文の合計金額などを確認できます。

不正注文レポートは、基本的に全ての契約プランで利用可能ですが、適用されている設定に応じて確認できるレポート詳細に制限があります。

(3)注文レポート

注文レポートは、注文量や返品数、配送・配達にかかった時間などの情報を集計して表示する機能です。分析したいデータを日付範囲で指定し、過去の日付範囲で比較できるため、注文の増減や注文プロセスの見直しができます。

(4)集客レポート

集客レポートでは、主にユーザーがストアに流入した方法に関する情報を集計し表示します。大きく分けて、3つのケースをレポート出力します。

  • 時間の経過によるセッション数
  • 参照元によるセッション
  • ロケーションによるセッション

上記のレポート情報により、ユーザーがアクセスしたデバイスの情報や、どのような経路でストアへ流入してきたかを把握できます。すると、ユーザーがよく使用するデバイスへの最適化や集客方法を増やすなどを検討可能です。

(5)在庫レポート

在庫レポートでは、ストアで管理している商品在庫の状況を集計し表示します。商品バリエーションごとの、1日に販売する在庫数量と割合や販売できる在庫数量の合計などを把握すると、現時点での在庫状況や在庫補充のタイミングを確認できます。

契約プランがベーシックプランの場合、一部機能に制限があり、スタンダードプラン以上で全てのレポート機能が利用可能です。

(6)行動レポート

行動レポートは、ユーザーの購買行動やトレンドを収集して、情報を表示する機能です。ストア成長をサポートするための戦略を策定する上で重要な情報であり、マーケティング戦略の効果測定やストア改善によるコンバージョンの最適化に活用できます。

(7)マーケティングレポート

マーケティングレポートは、ストアが打ち出したマーケティング施策の効果や、それに伴うコンバージョンなどを集計して表示する機能です。レポートには、各マーケティングチャネルからの注文情報がまとめられているため、どのチャネルが最も効果的かを判断できます。

(8)売上レポート

売上レポートは、商品やチャネル、時間別などの基準に従ってユーザーの注文情報を集計して表示する機能です。さまざまな視点から商品の売上情報を集計できるため、売れ筋商品や注文したユーザーがストアへどのように流入したのかなど分析できます。

売上レポートを使用できるのは、契約プランがスタンダード以上に限られるため、利用を考えている事業者は注意が必要です。

(9)POS売上レポート

POS売上レポートは、商品やSKU、スタッフなどの基準に従ってユーザーのPOS注文情報を集計して表示する機能です。商品バリエーションや販売元別のデータだけでなく、レジ対応を行ったスタッフのPOS販売の情報も集計されるため、販売に起因するスタッフを切り分けられます。

なお、POS売上レポートは、契約プランがスタンダード以上で実店舗販売を行っているストアのみ利用可能です。

(10)利益レポート

利益レポートは、仕入れ費用やマージン、商品やPOSロケーション別の利益を集計して表示する機能です。特定期間に焦点を当てた利益の分析ができるため、過去の利益率と比較できます。

なお、正確なレポートを得るためには、商品1アイテムあたりの費用を事前に追加しなければいけません。

(11)お客様レポート

お客様レポートは、ストアを利用した顧客情報を集計して表示する機能です。

新規顧客とリピーターとの販売比較や、時間経過によるお客様数の変化などストア全体にかかわる顧客情報を集計できます。さらに、各顧客の注文情報も合わせて集計できるため、顧客ニーズに合わせた施策を打ち出せます。

(12)カスタムレポート

カスタムレポートは、プレミアムプランもしくは、Shopify Plusを契約している場合に利用できるレポート機能です。Shopifyの絞り込み機能と編集機能を使用し、デフォルトのレポート情報をカスタマイズしてレポートを作成します。

ライブビュー機能

ライブビュー機能は、Shopifyストアを利用する際にストアのアクティビティ状況をリアルタイムで確認できる機能です。ライブビュー機能に表示される指標は以下のとおりです。

  • 現在の訪問者
  • 販売合計
  • 総セッション数
  • 総注文数
  • 上位のロケーション
  • 上位の商品
  • 初回のお客様
  • リピーター
  • お客様の行動

ストアの売上監視やキャンペーン期間のユーザーの行動状況を即時確認できるため、運営戦略の成否を瞬時に把握できます。

Shopifyの機能を活用した分析方法と見方

Shopifyの分析機能を活用した分析方法は、以下の3つがあります。

  • 顧客分析
  • 売上分析
  • 行動分析

それぞれの分析方法と見方を詳しく見ていきましょう。

顧客分析

顧客分析は、ストアを利用したユーザーのデータを収集して分析することです。ユーザーの購入商品や購入金額などをもとに、利用するユーザー層や属性について理解を深める手法です。

Shopifyのストア分析機能において、顧客分析する際に活用できるレポート機能は主に以下が挙げられます。

  • お客様レポート
  • 売上レポート
  • 行動レポート

お客様レポートでは、ストアを利用した顧客情報を中心にデータ集計をしているため、俯瞰的な視点から顧客属性を把握できます。売上レポートでは、顧客名別の注文内訳を把握できるため、ターゲットとするユーザーやユーザー属性に沿うグループに対してキャンペーン施策を打ち出せます。また、キャンペーン施策の効果測定は、行動レポートで確認できるため、施策の成否や見直しに活用できるでしょう。

売上分析

売上分析は、ストアが提供する商品によって得られた売上データを解析し、売上プロセスを把握してコンバージョン達成のための糸口を見つける手法です。

Shopifyの分析機能において、売上プロセスを把握するには、主に以下のレポートが活用できます。

  • 財務レポート
  • 売上レポート
  • POS売上レポート
  • お客様レポート
  • 行動レポート

ストアのパフォーマンスやユーザー動向を把握しつつ、売れ筋商品やこれから売り上げを伸ばしていきたい商品をプロモーションすると、売上向上を目指せます。定期的なデータ分析を行い、その都度マーケティング戦略やキャンペーンの検討と打ち出しを行っていくのがポイントです。

行動分析

行動分析は、ストアへ流入してきたユーザーの人数やストア内での行動を分析し、ストア構成の最適化やマーケティング戦略の検討などをするための手法です。Shopifyの分析機能において、行動分析する際に活用するレポートとして、主に以下が活用できます。

  • 集客レポート
  • 行動レポート
  • 注文レポート
  • 売上レポート
  • マーケティングレポート
  • お客様レポート
  • ライブビュー機能

上記のレポートを組み合わせると、ユーザーの行動や購買プロセス、アクセス数・コンバージョン率が高い流入元などが幅広く分析できます。また、キャンペーン施策を打ち出した際、ライブビュー機能を活用するとリアルタイムでのモニタリングできるため、施策の見直しや期間の引き伸ばしの検討が可能です。

Shopifyはアプリでも分析可能!おすすめアプリ4選

Shopifyに標準実装されているストア分析のみでも、ストア業績やユーザー行動を分析できますが、アプリを導入するとより詳細なデータを収集できます。データ分析するためにおすすめのShopifyアプリは、以下の4つです。

  • ラッキーオレンジ ヒートマップ&リプレイ
  • SEO Manager
  • HubSpot
  • かんたん会計freee売上データ連携

それぞれのアプリを詳しく見ていきましょう。

ラッキーオレンジ ヒートマップ&リプレイ

ラッキーオレンジ ヒートマップ&リプレイ

ラッキーオレンジ ヒートマップ&リプレイは、ストア内のクリック箇所やユーザーから注目されている箇所を把握できる分析アプリです。ストア内で注目されているコンテンツやクリック箇所をヒートマップで確認できます。

分析結果から、コンバージョンの完了率やユーザーの行動などを把握できるため、修正箇所を理解した上でストア改善に臨めます。さらに、サイト上でユーザーがどのような操作をしているかを確認できるライブビュー機能が搭載されているため、ユーザーのリアルな行動をモニタリング可能です。

月額料金無料プラン
Build:39米ドル
Grow:79米ドル
Expand:179米ドル
Scale:749米ドル
※7日間の無料体験あり
特徴クリック箇所や注目コンテンツを把握できる
コンバージョン完了率を把握できる
ユーザーのリアルな行動をモニタリングできる

SEO Manager

SEO Manager

SEO Managerは、ストアのSEO対策を最適化してくれるアプリです。アプリを導入すると、Googleの検索キーワードの情報を抽出し、キーワードボリュームの多いキーワードを自動的に選出してくれます。

また、アプリに用意されているテンプレートをもとに、検索結果に表示されるタイトルやメタディスクリプションを作成できます。SEO対策に関する知識があまりない方や、SEO設定を簡便化したい方にはおすすめです。

月額料金ESSENTIAL:20米ドル
※7日間の無料体験あり
特徴Googleの検索キーワードを自動選定できる
タイトルやメタディスクリプションを作成してくれる
SEOに関する知識があまりない方におすすめ

HubSpot

HubSpot

HubSpotは、顧客管理やマーケティング、セールス、コンテンツ管理などのツール機能を一元管理するCRMプラットフォームです。アプリを導入すると、Shopifyで管理している顧客や注文、商品に関するデータを自動的に同期できます。

同期したデータを分析し、顧客ニーズを満たすキャンペーン情報やカゴ落ちメールを自動的に配信可能です。

月額料金無料プラン
STARTER:20米ドル
PROFESSIONAL:890米ドル
ENTERPRISE:3,600米ドル
特徴顧客管理やマーケティング、セールスなどの機能を一元管理できる
Shopifyのストアデータが自動的に同期される
顧客ニーズに沿うマーケティング施策を打ち出せる

かんたん会計freee売上データ連携

引用:かんたん会計freee売上データ連携

かんたん会計freee売上データ連携は、Shopifyで受注した注文データを会計ソフト「freee」へ連携できる売上管理アプリです。毎日の注文データを、freee会計のフォーマットに沿って自動もしくは手動で連携できます。

特定注文のみに対応した送料や割引などを、それぞれ別の勘定項目で管理可能です。ストアの売上計上で、freeeを利用している事業者の方にはおすすめのアプリといえます。

月額料金無料プラン
ベーシックプラン:29米ドル
アドバンスドプラン:49米ドル
エンタープライズプラン:99米ドル
※30日間の無料体験あり
特徴注文データを会計freeeへ自動・手動で連携できる
freee会計のフォーマットに沿った連携が可能
特定の注文情報に合わせた売上管理が可能

Shopifyの分析機能でよくある質問

Shopifyの分析機能でよくある質問をまとめました。

Shopifyのセッション数とは?

Shopifyのセッション数は、ストアへ流入したユーザーの訪問回数です。Shopifyで定義されているセッションの有効期間は、以下のとおりです。

  • ストア上でのアクティビティがなくなってから30分後
  • UTCの夜12時まで

同一のユーザーが複数セッションを持てるため、訪問者数よりもセッション数が高くなります。

Shopifyの分析機能とGoogleアナリティクスの違いは?

Shopifyの分析機能とGoogleアナリティクスとの違いは、ストアへ流入するユーザー属性を詳しく解析できるかどうかです。Shopifyのストア分析機能でも、ユーザーが住む地域を計測が可能ですが、Googleアナリティクスでは年齢や性別などのより詳しい情報を計測できます。

Shopifyのストア分析機能で大枠のデータを計測し、細かい分析はGoogleアナリティクスと組み合わせて活用していくのがポイントです。

Shopifyの分析データは他のツールと統合して使用できる?

Shopifyの分析データは他の分析ツールと統合して利用可能です。GoogleアナリティクスやShopifyアプリと連携すると、より詳細なデータ分析やマーケティング戦略を検討できます。

Shopifyの分析機能は追加料金がかかる?

Shopifyの分析機能は、契約するプランによって利用できる機能が増えます。そのため、現在の契約プランからアップグレードする場合は別途料金がかかります。

まとめ

Shopifyのストア分析機能は、ストア運営を行っていく上でなくてはならない機能の1つといっても過言ではありません。ストア分析では、具体的な売上やユーザー数、購買率を数値やグラフとして確認でき、ストアの現状を把握できます。

定期的な分析を行うと、ストアが抱える改善点が明らかになり、事業のさらなる成長が見込めます。ぜひストア分析を活用して、売上や集客数アップに役立ててみてください。

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