ShopifyによるBtoB向けストアを運営するには?構築法・提供機能など紹介

国内BtoC-EC市場規模の拡大に伴い、BtoBビジネスにおいてEC対応したサイトの需要が年々高まっています。ShopifyでECストアを構築した事業者の中にも、BtoB向けの商材やサービスを展開したい方がいるでしょう。

今回は、ShopifyによるBtoB向けストアを運営するメリットや構築方法、提供されている機能などを紹介します。

Shopifyで実現するBtoBビジネス

ShopifyはもともとBtoC向けECサイトの構築に特化したプラットフォームでしたが、2022年6月に初めてBtoB向け機能を導入しました。現在までにリリースした機能は45種類以上となり、世界中の有名ブランドで利用されています。

BtoB向けECサイトには、卸売販売に特化した専門ストア型と、BtoCにも対応した混合ストア型の2種類があります。Shopifyは、専門ストア型と混合ストア型の両方に対応したサービスを提供しており、事業者の企業戦略に合わせたストア構築が可能です。

ShopifyでBtoB向けECサイトを運営するメリット

ShopifyでBtoB向けECサイトを運営して得られるメリットとして、主に以下の4つが挙げられます。

  • 手動業務を削減し効率化できる
  • 既存顧客からの受注増加が望める
  • ウェブ上での集客により新規顧客の獲得が見込める
  • BtoBに特化した専用ツールが用意されている

それぞれのメリットを詳しくみていきましょう。

手動業務を削減し効率化できる

従来のBtoB業務は、電話や書類による受注作業、データ入力など手動による業務が中心となり、時間や作業コストがかかっていました。Shopifyでは、受注データを自動的に注文管理や顧客管理にそれぞれ自動計上されるため、手動による運用業務を削減できます。

また、データの自動計上は人為的なミスを軽減できるため、管理業務を行うスタッフにとってメリットのひとつです。

既存顧客からの受注増加が望める

BtoB向けのECサイトを運営すると、インターネット環境があれば、商品の在庫状況を確認したり、即時注文したりできるようになります。電話やFAXを使っていたときよりも発注の手間が省け、既に取引を行っている顧客からの受注増加が見込めるでしょう。

ウェブ上での集客により新規顧客の獲得が見込める

Shopifyで蓄積したデータを分析し、ウェブ広告やSNSを活用すると、効率的にウェブ上から顧客ターゲットに対してプロモーションを行えます。オフライン上での営業は実際に足を運ばないといけないため、どうしても営業数に限界があります。

一方で、ウェブ上での集客は、労力のわりに拡散力が高いため、少ない人手で多くの方にアプローチできるのが特徴です。

BtoBに特化した専用ツールが用意されている

Shopifyでは、卸売に使えるアプリやBtoBストアの運営をサポートする機能などがリリースされています。Shopifyが提供するBtoB向けの機能は、後ほど紹介します。

さらに、Shopify Plusプランを契約している事業者であれば、BtoB専用ツールをプラン料金内で利用可能です。

ShopifyでBtoB向けECサイトを構築する方法

ShopifyでBtoB向けECサイトを構築する方法には、大きく分けて以下の3通りです。

  • BtoB向けのストアを新規作成する
  • 既存のShopifyストアにBtoB設定をする
  • Shopify Plusでストアを作成してBtoB設定をする

それぞれの構築方法を詳しくみていきましょう。

通常プランでBtoB向けのストアを新規作成する

3つの構築パターンの中で最もシンプルな方法は、BtoBに特化したストアを新規で構築する方法です。誰でもアクセスできないようにストアへパスワードを設定すると、パスワードを知っている人しかアクセスできないECサイトになります。

ストアに設定するパスワードは共通のものとなり、パスワード漏えいのリスクがあるため、パスワード保護アプリを導入しておくと安心です。

既存のShopifyストアにBtoB設定をする

すでにBtoCやDtoC向けストアを運営している事業者は、BtoB向けのShopifyアプリを導入すると、BtoB機能を搭載したストアを作成できます。Shopifyアプリの中でも、BtoB向けに運用する際におすすめのアプリを2つ紹介します。

1.B2B Wholesale Club

B2B Wholesale Club

B2B Wholesale Clubというアプリを利用すると、他にBtoB専用サイトを作らなくても、BtoB顧客にタグを付けて卸売り価格で販売できます。ネット支払い条件や最小注文数、数量割引など卸売りに特化した機能が充実しているため、BtoB顧客を対象に販売したい方に便利です。

月額料金無料プランBASIC PLAN:39米ドルPROFESSIONAL PLAN:69米ドルPREMIUM PLAN:99米ドル※30日間の無料期間あり
特徴特定顧客に卸売価格を提供できるクイック注文フォームの設定可能

2.B2B/Wholesale Solution

B2B/Wholesale Solution

BtoB事業者向けのオールインワンアプリです。卸売販売で必要となる基本機能はもちろんのこと、期間限定の卸売割引コードの発行や多通貨対応など、顧客ニーズを満たす各種機能が搭載されています。

月額料金無料プランESSENTIAL PLAN:25米ドルADVANCED PLAN:50米ドルPLATINUM:100米ドル※14日間の無料期間あり
特徴BtoB事業に関する必要機能がそろっているオールインワンアプリ限定卸売割引コードなどのマーケティング戦略に活用できる機能を搭載

アプリによって利用料金や操作性、機能性が異なるため、アプリの無料体験期間を利用して利便性の確認をしておきましょう。

Shopify Plusでストアを作成してBtoB設定をする

Shopify Plusプランを契約している事業者やプランのアップグレードを検討している方であれば、BtoBストア向けの機能を利用できます。Shopify Plusでは卸売チャネルという機能が用意されており、主に以下のことができます。

  • 既存商品を卸売購入者向け価格での提供
  • 卸売専用商品の販売
  • 卸売購入者向け注文書の作成
  • 卸売店の各種設定

最上位プランであるため他プランに比べて利用料金は高いですが、Shopifyアプリで提供されている機能を契約プラン範囲で利用できる点は魅力的です。ただし、卸売チャネルは2024年6月に廃止されます。

Shopifyが提供するBtoB向け機能

Shopifyは、BtoBストア向けの機能をリリースしています。数ある機能の中から、以下の4つを紹介します。

  • B2B on Shopify
  • Wholesale
  • Shopify Collective
  • Quick order list

BtoB向け機能は主にShopify Plusプランにて活用できるため、プランに加入している事業者は活用してみてください。

B2B on Shopify

B2B on Shopify

B2B on Shopifyは、オンラインストアを通じてBtoBビジネスを可能にする機能です。B2B on Shopifyを利用すると、卸売購入者専用のカタログや決済期間、通貨設定などができます。

さらに、ビジネスパーソンと直接販売の顧客の両方に対して商品を提供できる混合ストアと、BtoB専用ストアの構築が可能となります。

Wholesale

Wholesaleは、販売チャネルの1つで卸売購入者に対して卸売価格の設定ができる機能です。BtoBビジネスにおいて、自社との取引が盛んな卸売購入者には、他の購入者よりも安く販売したいと考える事業者も少なくありません。

Wholesaleを利用すると、卸売購入者に合わせた価格設定や販売ページの表示などを行えます。また、事前に設定した基準に沿った割引や最小注文数、最小購入単位などの指定も可能です。

Shopify Collective

Shopify Collective

Shopify Collectiveは、他のShopifyストアと提携して互いの商品を販売できる機能です。Shopifyでブランド展開しているストアから商品を新たに調達して、自社でも取り扱えるようになります。追加在庫や倉庫管理の費用を負担せずに、ビジネスを成長させられるのが魅力です。

なお、2023年11月時点ではアメリカでの事業者限定で利用可能となっています。

Quick order list

Quick order listは、商品一覧の表示とカートへの一括追加を可能にする機能です。商品の種類や数量が多い場合、色やサイズなどのさまざまなバリエーションを個別に選び取る作業は非常に手間がかかります。

Quick order listを導入すると、発注プロセスを簡便化するだけでなく、ユーザーにとって一度に多くの商品を購入しやすいのがメリットです。

Shopifyを用いたBtoB向けECサイトの事例

Shopifyで作成されたBtoB向けECサイトの具体的な事例として、以下の3つを紹介します。

  • 京都醸造
  • SHOP COPACK
  • fake food japan

それぞれの事例について詳しく見ていきましょう。

京都醸造

サイトURL:京都醸造

京都醸造は、2015年初頭に小規模な醸造所として事業をスタートしました。ベルギー&アメリカスタイルのビールに特化しており、ベルギースタイルの伝統にアメリカスタイルの風味を融合させ、独自のクラフトビールを創り出しています。

BtoB向けとBtoC向けの混合ストアとして運営しており、それぞれのストアページを公開しています。事業者はアカウントを登録次第、商品の発注が可能です。

SHOP COPACK

サイトURL:SHOP COPACK

SHOP COPACKは、店舗・オフィス・飲食店などに配置する什器の販売を行っています。ワークデスクやパーテーション、マネキン、デジタルサイネージなど幅広い商品を展開しています。専門型に特化したストアですが、事業者だけでなく一般顧客でも注文が可能です。

fake food japan

サイトURL:fake food japan

fake food japanは、国内・国外に対してフェイクフード商品を販売しているオンラインストアです。実物大の食品サンプルだけでなく、iPhoneケースや名刺ケース、タブレッドスタンドなどの雑貨の販売も行っています。専門型特化ストアとして運営しており、オーダーメイド商品や卸売注文に対応しています。

ShopifyでのBtoB向けECサイトに関するよくある質問

ShopifyでのBtoB向けECサイト運営に関するよくある質問をまとめました。

ShopifyでBtoB向けECサイトを運営するにはどのプランがいい?

現時点で大規模な販売を行っている場合は、Shopify Plusプランを検討しても良いでしょう。Shopify Plusでは、BtoB向けECサイトを構築する専門ツールが豊富にそろっており、アプリの追加導入をせずに契約プランの範囲で対応できます。固定費を抑えて運営していきたい場合は、予算に合うプランを選択し、BtoBアプリを導入して運営すると良いでしょう。

顧客ニーズに合わせて商品カタログを作成する手段はある?

B2B on Shopifyの機能には、カタログ作成があります。カタログは全ての商品や特定商品のみの追加が可能です。作成したカタログは、顧客のロケーションに合わせて割り当てられます。

まとめ

Shopifyが提供しているプランやアプリを活用すると、簡単にBtoB向けECサイトを構築できます。BtoC向けECサイトだけでなく、今後BtoB向けにも挑戦したい事業者のニーズを満たす仕組みがいくつも用意されています。挑戦する際には、専門ストア型にするのか、混合ストア型にするのかを検討して参入しましょう。

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フルバランスは、Shopify公式認定パートナーとして、企業のShopify導入を支援しています。システム開発がメインの会社のため、Shopify Plusのカスタマイズに強く、BtoB向けサイトに関するご相談も承っております。

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