ShopifyのSSL設定とは?メリット・他サーバーとの違い

ECストアを運営する上で、セキュリティ強化は常に考えなければならない重要な要素です。現代のECストアでは、SSLと呼ばれるデータを暗号化して送受信する仕組みを取り入れ、セキュリティ強化を行う事業者が多く存在します。

そこで今回は、ShopifyストアにおけるSSL設定や設定するメリット、一般的なレンタルサーバーとの違いを紹介します。

SSL通信とは?

SSL通信とは、Secure Socket Layerの略で、インターネット上でのデータを暗号化して送受信する仕組みを指します。SSL通信が組み込まれたサイトは、https://から始まるアドレスとなり、ユーザーはアドレスバーを確認することでSSL通信に対応したサイトかを確認できます。

さらに、SSL対応されていることが視覚的に伝わると、ユーザーに安全かつ信頼性の高いストアである印象を与えられます。

ShopifyはSSL化設定できる?

Shopifyでは以下のパターンに該当する場合、すべてのストアに対してSSL設定が可能です。

  • Shopifyストアの新規開設
  • Shopify上でカスタムドメインを購入
  • 外部ドメインをShopifyに移行

本来SSL設定をする場合は、各々が契約しているサーバー側で設定する必要があったり、SSL化するのに費用がかかったりします。Shopifyではこのようなプロセスが必要ないため、SSL設定に関する知識や設定経験がない事業者も、簡単に対応できる仕組みとなっています。

ShopifyストアをSSL設定するメリット

ShopifyストアへSSL設定するメリットは、以下のとおりです。

  • ECストアのセキュリティを向上できる
  • Webサイト表示の高速化
  • SEO効果が期待できる
  • 信頼性と信用性を向上できる

それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

ECストアのセキュリティを向上できる

SSL設定を行うメリットとして、1つ目にECストアのセキュリティを向上できる点が挙げられます。ストア運営では、ユーザーのパスワードやクレジットカード情報などを取り扱っているため、サイトのセキュリティ強化は重要な要素です。

SSL化設定を行うと、サイト内で取り扱っている個人情報を暗号化し、悪意のある第三者による情報の傍受や改ざんを防ぎ、セキュリティリスクを大幅に減らせます。

Webサイト表示の高速化

SSL設定を行うと、Webサイト表示を高速化できる点もメリットの1つです。SSL化設定されたWebサイトは、「HTTP/2」という手段でデータ通信されます。

「HTTP/2」の通信手段を利用すると、Webサイトとのデータ通信を効率化でき、画面表示の高速化が可能です。

SEO効果が期待できる

SEO効果が期待できる点も、SSL化設定を行うメリットです。2014年にGoogleは、SSL化したWebサイトを、検索順位を優遇する要素とすることを発表しました。

つまり、SSL設定したWebサイトは、設定していないサイトに比べて検索順位が上位になる可能性が高いということです。ECストアを運営していくにあたり、検索上位に自社ストアが表示されれば、ストアへの流入数が増え、結果として売上向上につながります。

信頼性と信用性を向上できる

SSL設定を行うと、ECストアの信頼性と信用性を向上できる点もメリットです。2018年7月以降のGoogle Chromeでは、SSL未設定サイトへアクセスすると、アドレスバーに「保護されていない通信」という警告が出るようになりました。

そのため、SSL設定されていないと、せっかくストアへ流入したユーザーが離脱してしまう恐れがあります。SSL設定されたサイトは「保護された通信」というメッセージと鍵マークが表示され、視覚的にサイトの信用性とセキュリティ面での信頼性を与えられます。

ShopifyでSSL化設定を手動で行う方法

Shopifyストアを作成した場合やShopify内で独自ドメインを取得した場合、すべてのストアは常時SSL設定されます。一方で、外部サイトで取得した独自ドメインの場合は、手動で設定しなければいけません。

SSL化設定する手順は、以下のとおりです。

  • Shopifyの管理画面から既存ドメインの接続をする
  • Aレコードの設定
  • CNAMEレコードの設定

それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。

Aレコードの設定

Aレコードとは、ドメイン名とIPアドレスを対応づけるための設定です。IPアドレスは、インターネット上に用意されているサーバーに割り振られた住所のようなものです。Aレコードを設定すると、ユーザーがブラウザを通じて、アクセスするサーバーを紐づけられます。

Aレコード設定の手順は、以下のとおりです。

  • ドメインを取得したサイトへ遷移
  • サイト内のDNS設定もしくはドメイン管理にアクセス
  • Aレコード入力欄に「23.227.38.65」

入力欄に設定した9桁の数字は、ShopifyのIPアドレスになるため、記載されている通りに設定しましょう。

CNAMEレコードの設定

CNAMEレコードは、1つのドメイン名を別のドメイン名に定義して動作させるための設定です。設定するには、以下の手順で行います。

  • Aレコードと同様にDNS設定もしくはドメイン管理にアクセス
  • wwwが付いたCNAMEレコードに「shops.myshopify.com」を入力

上記の設定値もお決まりの内容となるため、記載されている通りに設定します。AレコードとCNAMEレコードの設定は、外部サービスによってそれぞれ異なるため、設定に不安がある方は、各サービスのカスタマーサポートに確認しましょう。

Shopifyの管理画面から既存ドメインの接続をする

ドメイン取得したサイトで設定が完了したら、管理画面から既存ドメインの接続をします。以下の手順で設定可能です。

  • 「設定」→「ドメイン」をクリック
  • ドメイン画面上の「既存のドメインを接続する」をクリック
  • ドメイン入力欄に既存ドメインを入力して「次へ」ボタンをクリック

入力が完了したら「接続を確認する」ボタンをクリックし、設定に問題がなければ48時間以内にドメイン画面の設定ドメインに「接続済み」が表示され、対応完了です。

Shopifyと一般レンタルサーバーのSSL設定の比較

ShopifyでのSSL設定と一般的なレンタルサーバーのSSL設定の違いは、大きく分けて以下の2点です。

  • 設定方法
  • 費用
  • 適用範囲

それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。

設定方法

Shopifyと一般レンタルサーバーとの違いは、自動でSSL設定できるか否かです。

Shopifyは、各ストアへのSSL設定がすべてシステムによって自動で行われるため、基本的に事業者側で特別な設定をする必要がありません。一方で、一般レンタルサーバーは、すべて管理者が手動で行わなければなりません。

Shopifyでストア構築を行うと、サーバー設定に関してはすべてシステム側が管理するため、ストア構築作業に集中できます。

費用

Shopifyは、SSL証明書の発行はすべてシステム側で管理しているため、事業者自らが証明書を発行する必要がなく、費用も無料です。一般レンタルサーバーにおいても、無料サービスを利用すれば費用はかかりませんが、暗号化の精度をあげたい場合は有料のSSL証明書が必要になります。

SSL証明書とは、オンライン上での身分証明書のようなもので、運営するWebサイトが安全であると証明するためのものです。SSL設定をするには、SSL証明書の発行が必要です。

SSL証明書をインストールすると、Webサイトとユーザーとの間で送受信されるデータを暗号化できます。一般的にSSL証明書は、各レンタルサーバーやSSL証明書プロバイダーから購入するか、無料でSSL証明書を提供するサービスを利用して取得します。

適用範囲

Shopifyと一般レンタルサーバーでは、SSL設定の適用範囲が異なります。Shopifyは商品ページやチェックアウト、カートなど全てのページに対してSSL設定が有効になり、一部ページのみを有効にはできません。

一方で、一般的なレンタルサーバーは、全てのページに対してSSL設定ができる他、事業者側の裁量で一部ページのみにSSL設定を有効化できます。ただし、セキュリティの観点からできる限り全てのページでSSL設定を有効にし、ユーザーとのデータのやり取りを保護することが推奨されています。

そのため、特別な理由がない限り一部ページのみを有効にする必要はありません。

ShopifyのSSL設定でよくある質問

ShopifyのSSL設定に関してよくある質問をまとめました。

SSL使用不可エラーが表示されたときはどうすればいい?

外部ドメイン設定をすると、48時間以内にSSL証明書が発行されるため、完了までに時間がかかります。48時間が経過してもエラーが表示される場合、ドメイン設定が正しくできていないかもしれません。ドメイン設定を行ったサイトにアクセスして、設定内容を確認しましょう。

常時SSLと部分的SSLとは?

常時SSLは、Webサイト内の全てのページに対してSSL設定することを指します。一方で、部分的SSLは、特定ページのみに対してSSL設定することです。

「SSL保留中」のまま動かないときの対処法は?

ドメイン設定を行ったサイトにアクセスして、以下の内容を確認しましょう。

  • Aレコードに「23.227.38.65」が設定されていること
  • CNAMEレコードに「shops.myshopify.com」が設定されていること
  • CAAレコードを使用している場合、必要な認証局が追加されていること
  • AAAAレコードを使用していないこと
  • ドメインでDNSSECが無効になっていること

改善されない場合は、Shopifyサポートへ問い合わせましょう。

SSL証明書の期限が切れたら手動で更新する必要がある?

ShopifyではSSL証明書の発行や更新は全て自動で行われるため、手動更新する必要はありません。

まとめ

SSL設定は、Shopifyストアを安全に運営するために必要な設定です。ShopifyでECストアを構築すると自動的にSSL化設定されるため、ウェブサーバーに関する知識や設定経験がなくても、SSL設定されたストアを実現できます。

また、サーバーに関するトラブルが発生した場合は、Shopify側でサポートしてくれるため、事業者は安心してECビジネスに注力可能です。

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