Shopifyを実際に使っているユーザーに、Shopifyのいいところと大変なところを聞きました。Shopifyのメリットデメリットを紹介する記事はあっても、結局最も参考になるのはすでに利用しているユーザ-の感想です。
Shopifyユーザーが気に入っている部分や、反対に大変だと思っていることは何なのかを知り、自社にShopifyが合っているかを判断する材料にしてください。
Shopifyユーザーに聞いたShopifyの評判

フルバランス代表角間実の著書『商品売るならShopify』から、Shopifyを実際に使ってECストアを成功させている方の体験談をご紹介します。導入検討時には、ユーザーのレビューは参考になりますよね。3社の感想を基に、Shopifyが自社に合っているかどうか検討してみてください。
オリジナルスニーカー販売の「grounds」

「grounds」は日本発のスニーカーブランドです。特徴的なデザインと履き心地の良さから、世界で人気となっています。groundsさんがECストアのプラットフォームとしてShopifyを選んだ理由は、越境ECに強かったからです。
前進のブランドで、パリコレクションでショーを行い、既に海外で認知されていたため越境ECは必須だったという同社。当初は日本のプラットフォームも検討していたそうですが、比較検討で圧倒的にShopifyが海外展開に強いことがわかります。
さらに低コストと、売上債権回転期間の短さ、アプリによる機能の拡張性の高さなどからShopifyに確定したそうです。SNS広告への出稿のしやすさや、操作性については満足している一方、アプリ同士の相性に問題があるといいます。
Shopifyはアプリを追加することで機能を拡張できるのが、魅力のひとつです。
しかし、アプリは異なるベンダーから出されているため、相性によっては不具合が出てしまいます。複数のアプリを使うほど不具合が出やすくなるため、Shopifyの利用ではアプリの選定にも考慮が必要です。
伝統工芸品販売「日本工芸堂」

日本の伝統工芸品を販売するのが「日本工芸堂」です。オープンソースという、公開型のソフトウェアを使ってEC構築を考えていたという同社。
ところが、開発がなかなか進まずオープンできないままコストだけがかさんだそうです。そこで出会ったのが、Shopifyでした。
必要な機能が網羅されていて、本格的な運用にも対応できるところに惹かれたそうです。他のプラットフォームでは、データ分析部分が初心者向けで物足りなさを感じたといいます。
大変だったのは、550点以上もある商品を登録する作業です。慣れるまでは迷いながら行っていたので、時間がかかったそうです。とはいえ、総じてShopifyの使い勝手には満足していると教えてくださいました。
レトルトカレー販売「ゴーゴーカレー」

「ゴーゴーカレー」は金沢発祥の大手カレーチェーン店です。ECストアでは同社のレトルトカレーやグッズを販売しています。同社がECストア構築にShopifyを選んだ理由は以下の3点です。
- SEO設定の利便性
- 機能の拡張性
- サーバーが高スペックであること
ShopifyにはSEO、いわゆる検索エンジンの上位表示対策ができる機能が用意されています。同社では、Shopifyの「かゆいところに手が届く」SEO対策ができる点を重視したそうです。
また、アプリによる機能の拡張性の高さに加え、サーバーが強靭であることも重要だったといいます。例えば、テレビで商品が紹介されてすぐに、サイトにアクセスできなくなったという経験はないでしょうか。
短期間にサーバーへのアクセスが集中したことで、サーバーが一次的に機能を停止したことが原因です。この点、Shopifyのサーバーは非常に高い性能のため、アクセス集中によるサイトダウンの可能性は低くなります。
実際、ゴーゴーカレーさんではメディアで紹介されたあと、爆発的な受注があったにも関わらずサイトは通常通りの動きを維持できたそうです。マイナス面は、日本製でないことにあるといいます。会員情報の姓名や住所表記が欧米式であるなど、ちょっとした部分の修正に工数がかかるそうです。
評判からわかるShopifyのメリット

Shopifyユーザーの声などから、Shopifyのメリットとして主に以下4点があることがわかりました。
- 導入コストが低い
- アプリによる拡張機能が豊富
- 操作が簡単
- 越境ECに強い
改めてそれぞれのメリットについてみていきましょう。
導入コストが低い
Shopifyは初期費用がなく、月額利用料のみで利用できます。
さらに、3か月間月1米ドルで利用可能です。
最も人気のあるベーシックプランでは4か月目以降は月額米ドル33のため、スタート期も無理なく始められます。
ただし、ストアのデザインの基礎となるテーマやアプリには有料のタイプもありますので、インストールする際には確認しましょう。
初めてECストアを運営する場合は、まずは標準機能で運営し、必要な機能が分かった段階でアプリ導入の検討を行うのもおすすめです。
Shopifyのプランについては別記事「Shopifyの料金プランを解説!料金プランを選ぶポイントも」で詳しく説明しています。
アプリによる拡張機能が豊富
Shopifyには約8,000種類のアプリがあります。標準機能で足りない機能は、アプリをインストールして拡張することが可能です。アプリは世界中の開発会社が作っているため、日本語に対応しているものは多くありません。
海外製のアプリでは、トラブル時のサポートも外国語だったり、返信がくるまで時間がかかったりする点に注意が必要です。一方、海外製アプリであっても、ユーザーが多い人気のアプリはインターネット上に使い方に関する情報がたくさんあります。
日本語対応がないから使えないと一律に判断するのではなく、必要なアプリか否かしっかりと検討することが必要です。
アプリの選び方については「【目的別】Shopifyアプリおすすめ30選!選ぶときのポイントも紹介」でも説明していますので、参考にしてください。
操作が簡単
Shopifyは専門的な知識不要で、誰でも簡単に操作ができます。もしShopifyの導入を検討中であれば、無料期間に試してみるのもおすすめです。商品登録や決済方法など、画面の指示に従って操作を行うだけで設定が完了します。
あまりにもスムーズに進むので、気がついたらストアができていたという感覚になるかもしれません。一部、Shopify特有の機能もあるため、使いこなすのに時間がかかる部分もあります。例えば、コレクションという機能は擬似カテゴリーを作成できる機能ですが、一般的なカテゴリー階層とは異なる仕様となっています。
コレクションについては別記事「Shopifyのコレクションがわかる!カテゴリー表示方法や活用事例を紹介」をご参照ください。Shopify特有の機能に慣れるとさまざまな応用ができますので、一度触れてみるといいでしょう。
越境ECに強い
Shopifyは越境ECに非常に強いプラットフォームです。なぜなら、Shopifyが世界での利用を想定して作られているからです。
アプリも多言語や多通貨に切り替えられるものがあったり、海外の物流を利用できるものがあったりと非常に便利です。例えば、Ship&coというアプリは、通関に必要なインボイスをワンクリックで作成できるなど、越境ECの物流に必要な機能を提供しています。
日本製品は海外からの需要が高いため、今後は越境ECに関するアプリ開発や仕組みづくりも進んでいくでしょう。これからECストアをオープンさせるのであれば、ぜひ越境ECを見据えた戦略を立ててください。
評判からわかるShopifyのデメリット

Shopifyユーザーの多くが感じるデメリットは以下の2点です。
- 日本語に対応しているアプリが少ない
- 日本語のマニュアルやサポートが弱い
どれほど重大なデメリットなのか、それぞれ見ていきましょう。
日本語に対応しているアプリが少ない
約8,000種類のアプリのうち、日本語に対応しているアプリはわずかです。多くのアプリは英語表記となっています。
世界中のShopifyユーザーの中で日本の割合は多くないため、仕方がないことかも知れません。英語が苦手なのに設定方法が英語で表記されていれば、導入時にかかる負担が重くなります。
また、サポートもメールのみで、時差も相まってやり取りに時間を要するでしょう。しかし、アプリによっては、使い方に慣れてしまえば言語の問題は差ほど大きくなかったり、使い方についてWEB上に情報がたくさん掲載されていたりするものもあります。問い合わせも、メールであれば翻訳ツールを利用してやり取りが可能です。
どうしても日本語での対応がいい場合は、アプリの情報欄で日本語対応しているかどうか確認するといいでしょう。日本向けというアプリでも、サポートが日本語に対応していないこともあるのでご注意ください。
日本語のマニュアルやサポートが弱い
Shopifyはカナダで始まったサービスのため、日本語の対応が不十分な場合があります。とはいえ、日本参入初期と比べると、設定マニュアルも日本語での問い合わせも大きく改善しました。
Shopifyで受けられるサポートは主に3つの方法があります。
- コミュニティフォーラム
- ヘルプセンター
- サポートへの問い合わせ
コミュニティフォーラムでは、困りごとを自由に投稿でき、他のユーザーやShopify認定パートナーである専門事業者から回答を得られます。過去の投稿から同じ問題を見つけることもできるでしょう。
ヘルプセンターでは、よくある質問の中から回答を探せます。コミュニティフォーラムでもヘルプセンターでも解決できない場合は、日本語サポートへメールで問い合わせ可能です。
また、無料テーマのカスタマイズに関して、ベーシックプラン以上の契約者は最大60分のサポートが受けられます。電話でのサポートはありませんが、日本語に対応したサポートは充実してきているといえるでしょう。
Shopifyでかかる費用

Shopifyを利用せずにECストアを構築する場合は、主にサイトデザイン費や構築費、サーバー管理費、決済サービス利用料、決済手数料などの費用が必要です。では、Shopifyを利用した場合は、どのぐらいの費用がかかるのでしょうか。
月額利用料

Shopifyの利用には、月額利用料が必要です。SNSやメールでの販売を行うスタータープラン月額5米ドルから、大規模ストア向けのShopify Plus月額2,000米ドルまでストアの規模に合わせて選択できます。登録してから最初の3か月間は月額1米ドルで利用できるので、テスト販売などで利用するのもおすすめです。
サーバー使用料
Shopifyの利用にサーバー使用料はかかりません。通常、自社ECストアを作成する際には、サーバーの用意が必要です。レンタルサーバーを使うと、レンタル料が発生します。
Shopifyではサーバーを別で用意する必要がないので、サーバー代もかからないのです。ただし、お店のURLをオリジナルにしたい場合は、ドメイン費がかかります。
ドメインとは、URLの@マーク以下の文字列のことです。独自ドメインの設定もShopifyでは可能ですし、Shopifyで独自ドメインを購入することもできます。ドメイン費は通常年払いですので、ドメインを使い続ける限り費用が発生します。
決済手数料
Shopifyでは、Shopifyペイメントを利用してクレジットカード決済が可能です。クレジットカード決済では取引ごとに決済手数料がかかり、割合はShopifyのプランやカードブランドによって異なります。
プランごとの手数料は以下の通りです。
プラン | ベーシック | スタンダード | プレミアム |
---|---|---|---|
日本カード決済手数料 | 3.4% | 3.3% | 3.25% |
海外/AMEX決済手数料 | 3.9% | 3.85% | 3.8% |
JCB決済手数料 | 4.15% | 4.1% | 4.05% |
Shopifyペイメントを使わずに、外部の決済サービスを利用する場合は、取引ごとに以下の取引手数料がかかります。
プラン | ベーシック | スタンダード | プレミアム |
---|---|---|---|
取引手数料 | 2.0% | 1.0% | 0.5% |
外部決済サービスの利用では、上記の取引手数料とは別に、外部決済サービス側で決済手数料が発生する点にご注意ください。Shopifyペイメントでのカード決済手数料は、他社との比較でも最安の水準となっています。Shopifyペイメントについては別記事「Shopify paymentとは?導入のメリットや設定方法などを紹介」をご参照ください。
Shopifyと他のECカートシステムを比較

ECストアのプラットフォームはShopify以外にも多数あります。その中でも人気のあるサービスが下記2つです。
- BASE
- STORES
Shopifyとの違いについて見ていきましょう。
BASE

2022年にサービス提供から10年を迎え、累計190万ショップの開設数を突破したのがBASEです。国内企業が開発したプラットフォームで、小規模ストアで多く利用されています。
プランは以下の通りです。
スタンダードプラン | グロースプラン | |
---|---|---|
月額利用料 | 0円 | 5,980円 |
決済手数料 | 3.6%+40円 | 2.9% |
サービス利用料 | 3% | 0% |
BASEの特徴は固定費ゼロから始められるという点です。スタンダードプランを利用すれば、変動費のみで運用できます。
Shopifyとの違いは、決済方法の種類の豊富さです。BASEでは、後払い決済やキャリア決済、コンビニ決済の利用ができます。
デザイン面では、商品画像の登録数がShopifyは250枚なのに対して、BASEは20枚までと、商品写真を豊富に使うストアにはShopifyが向いているでしょう。
STORES
2012年にサービスを開始したSTORESは、店舗とECストア運用に便利な機能を提供しています。料金プランは以下の2つです。(2014年1月より新料金プランに変更予定)
フリープラン | スタンダードプラン | |
---|---|---|
月額利用料 | 0円 | 3,480円(新規契約時・初月無料) |
決済手数料 | 5% | 3.6% |
予約販売や定期販売、電子チケットの発券などもでき、幅広いECストアで利用できます。デザインテンプレートも48種類と豊富で、ノーコードでカスタマイズも可能です。
一方で、機能の拡張性は高くないため、Shopifyのように必要な機能を後付けしたい場合は向いていません。また、フリープランでは独自ドメインが利用できないという点も注意が必要です。店舗販売がメインで、スポットとしてECストアの運営を考えているという事業者には、使いやすいサービスといえます。
Shopifyはこんな方におすすめ!

Shopifyをおすすめするのは以下のような方です。
- 越境ECを始めたい
- ECストアを試験的にスタートさせたい
- ECストアのマーケティングに力を入れたい
Shopifyの最大の強みは越境ECに強いことです。多言語、多通貨、国際物流に対応できるアプリの充実度は他のサービスに劣りません。
また、ECストアを将来的に大きく成長させていく予定で、スタート時は小さく始めたいという方にもおすすめです。Shopifyには、大規模ストアにも対応できるShopify Plusというプランもあります。スモールスタートして、売上に応じてプランや機能をアップデートしていけるのも、Shopifyの魅力でしょう。
さらに、アクセス解析やマーケティングのアプリを導入すれば、効率的にマーケティング施策が実行できます。取得したいデータに応じて、導入するアプリを入れ替えることも可能です。ストアの分析は成長するうえで欠かせません。
小規模ストアでも大規模ストアでも、それぞれに合った利用ができるのがShopifyです。
Shopifyでよくある疑問

Shopifyに関するよくある質問に回答します。Shopifyを検討する際の参考にしてください。
Shopifyが安い理由とは?
Shopifyは、ビジネスの立上げや運営、規模拡大を楽にすることで、多くの人が独立できるようにサポートしたいと考えています。多くの人が商業活動を行えば行うほど、商業は発展し消費者のためになると考えるためです。
Shopifyの機能を支えるのは多くのアプリ開発会社です。そこで、Shopifyは開発者が意欲的に開発に臨めるように、売上1,000,000米ドルまでマージンを無償としています。
アプリの機能が増すとShopifyストアも増え、消費者の購入も増える循環が成り立てば、Shopifyの利用は継続的に続き彼らの利益にもつながるでしょう。持続可能な事業のために、利用料を最低限に抑えていると考えられます。
Shopifyでネットショップを運営しても売れない?
ShopifyでECストアを構築しただけでは売れません。Shopifyはモールではないため、ECストアを構築しただけでは誰もストアの存在を知らず、訪れてくれないでしょう。
ストアの存在を知ってもらうために、Web広告を出したりSNSを活用したりと、宣伝活動を行う必要があります。実店舗でも人通りが少ないと認知してもらえないように、ECストアでもこちらから人通りの多い場所に出ていかなくてはいけません。Shopifyは集客するためのプラットフォームではないことを、認識しておきましょう。
まとめ
今回ご紹介したユーザーの皆さんは、Shopifyについて概ね満足している一方で、問題と感じていることや苦労した部分があることがわかります。どのサービスを利用しても、メリットとデメリットは必ずありますが、デメリットを知ったうえでメリットが上回るのかどうか判断を行うのがいいでしょう。
Shopifyの構築や運営については、Shopifyのパートナー事業者に頼るという方法もあります。さまざまな選択肢のなかから、自社に合ったサービスを選択してください。
Shopifyのストア構築やカスタマイズはフルバランスへお任せください
Shopifyでのストア構築や他のカートシステムからのShopifyへの移管は、Shopify認定パートナーのフルバランスにご相談ください。フルバランスは、Shopify日本参入当初からの認定パートナーとして、多くのストア構築を支援してきました。
2017年から携わったお客様の売上成長率は463%。ただストアを構築するだけでなく、売上最大化をめざすストアを構築します。ECの売上を成長させたいとお思いであれば、フルバランスにお任せください。