「売上拡大のためにECサイトを始めたいけれど、自社サイトとECサイトの2つを運用するのは大変」とお思いではないでしょうか。自社サイト内にショッピングカートを付けられると、販売の機会も増やせて運用も楽ですよね。
さらに、自分たちで商品登録や在庫管理が簡単にできればなお良いです。
そこで、多くの企業が自社サイトの構築で利用しているWordpressと、簡単にECサイト運用ができるShopifyの連携を解説します。ECサイトの構築が大変だと思っている方は、非常に簡単ですのでご安心ください。
ShopifyとWordpressの違い
ShopifyとWordpressはwebサイトを構築するためのツールという意味では同じですが、想定されている目的が異なります。WordpressはCMS(Contents Management System)のひとつで、webサイトの管理や運営のために作られたシステムです。
さらに、Wordpressはオープンソース型と呼ばれるタイプで、システムを構築するソースコードが公開されており、誰でも自由に開発ができるようになっています。
一方で、ShopifyはECサイトを構築する目的で作られたシステムであり、システムのコードは公開されていません。Shopifyのように、インターネット上で利用できるシステムをASP(Application Service Provider)サービスといいます。
ASPは利用者が自分でサーバーを用意せずに、インターネットを介してwebサイトの構築などができるサービスです。つまり、Wordpressは構築するサイトの目的が特定されていないシステムで、ShopifyはECサイトに特化したシステムという違いがあります。
ShopifyとWordpressの自社サイトの連携はできる?
ShopifyとWordpressは、連携可能です。
WordPressは、マニュオンの調査結果によると、国内シェアは83.6%と多くの人が利用しています。Wordpressで構築した既存サイトに、カート機能を付けられないかと思う方もいるでしょう。
Shopifyには、購入ボタンを他のサイトに表示させる機能があるので、Wordpressで構築した自社サイトに購入ボタンを設置してECサイトとして活用できます。ShopifyとWordpressの運用を1つにまとめられるので、人的コストも下げられるでしょう。
ShopifyとWordpressを連携する方法
ShopifyとWordpressの連携方法は、次の3つのステップです。
- ShopifyにBuy Buttonアプリをインストールする
- 購入ボタンを作成する
- WordPressにShopifyの購入ボタンを埋め込む
Shopifyの利用が既にある方を想定して説明を行いますので、まだShopifyの登録を行っていない方は、別記事「Shopifyの使い方完全マニュアル!登録から設定まで始め方を解説」をご参照ください。
ShopifyにBuy Buttonアプリをインストールする
Shopifyの購入ボタンをWordpressに表示させるために、購入ボタンを作成するアプリをインストールしましょう。アプリの検索窓に「Buy Button Channel」と入力すると表示されます。利用料は無料です。
購入ボタンを作成する
アプリがインストールできたら、Shopifyの管理画面からBuy Buttonを選び購入ボタン作成の画面を開きます。画面に「購入ボタンを作成する」という表示が出るので、クリックして次に進みましょう。
次のページでは購入ボタンの種類が表示されるので、該当するものを選びます。コレクションについてわからない場合は、別記事「Shopifyのコレクションがわかる!カテゴリー表示方法や活用事例を紹介」をご覧ください。
ここで、「商品購入ボタン」を選択すると、次のような画面が表示されます。
購入ボタンを作成する商品の一覧が表示されるので、商品を選択します。
ボタンに表示する文字や色などが変更できるので、表示するサイトのデザインに合わせて好みのデザインに整えましょう。デザインのカスタマイズが終わったら、画面右上にある「次へ」で進みます。
WordPressにShopifyの購入ボタンを埋め込む
カスタマイズ画面から次に進むと、購入ボタンのコードが生成されます。表示されたコードをコピーして、Wordpressの該当ページに貼り付けましょう。
すると、商品のサムネイルと購入ボタンが表示されます。Wordpressに貼り付ける際には、HTML編集で行ってください。
WordPressのプラグインとShopifyの機能を比較
WordPressには、プラグインを利用してECサイトを構築する方法もあります。Shopifyの利用とWordpressのプラグインの違いを比較していきましょう。
WordPressのECプラグインで世界シェアNo,1はWooCommerce
引用:WooCommerce
WordPressで利用できるECサイト用プラグインでは、WooCommerceが世界で最も利用されています。(BuiltWith 2023年10月16日付け)しかし、日本ではあまり利用率は高くありません。日本語対応がなかったことが、理由として挙げられますが、近年は日本語にも対応し使いやすくなりました。
WooCommerceを利用するメリットは、以下の2つです。
- 無料で利用できる
- ドメインを変えずに運用できる
WordPressで既にサイトを構築していれば、新たにサーバーやドメインの費用をかけずにECサイトの構築が行えます。一方でデメリットは、WooCommerceもWordpress同様にオープンソース型のシステムなので、サポート体制が十分でない点です。また、セキュリティ面も強固とはいえないので、利用する際にはセキュリティ対策を行わないといけません。
ECサイト作成サービスの世界シェアNo,1はShopify
Shopifyは、ECサイト作成サービスの世界シェアNo,1です。(BuiltWith 2023年10月16日付け)ここ数年で日本国内でのシェアも、急激に伸ばしています。
Shopifyは登録するだけですぐにECサイトを始められ、サーバーを契約する必要もありません。ECサイトに必要な機能が備わっており、HTMLなどの専門的な知識がなくてもサイトを構築できます。初期費用を抑えて運用を始められるので、これからECサイトを始めようとしている方にもおすすめのサービスです。
そこで、WooCommerceとShopifyの機能の違いを表にまとめました。
WooCommerce | Shopify | |
月額料金 | 無料(※オプションによって有料もあり) | 月額$1~(※アプリによって別途加算あり) |
商品ページ | 〇 | 〇 |
カート機能 | 〇 | 〇 |
顧客管理 | 〇 | 〇 |
ブログ機能 | 〇 | 〇 |
分析機能 | 〇 | 〇 |
複数チャネルの在庫管理 | プラグイン導入 | アプリの追加 |
POS連携(実店舗との連携) | WooCommerce POSの利用(月額$16.59) | Shopify POSの利用(最初の3か月$1~) |
複数ストア運営 | プラグインが必要 | 〇 |
WooCommerceもShopifyも、プラグインやアプリといった拡張機能を利用すると、さまざまな機能が追加できます。サポート体制や、セキュリティ面も加味して、どちらを選ぶか検討しましょう。
WorspressでShopifyを利用するメリット
WordPressでShopifyを利用するメリットは、主に以下の4つです。
- 安全なカート機能が使える
- ShopifyPOSの利用で実店舗販売と在庫の連動ができる
- サポートやユーザーコミュニティがある
- Shopifyスタータープランなら月額$1(最初の3か月)で利用できる
それぞれについて見ていきましょう。
安全なカート機能が使える
Shopifyでは、非常に強固なセキュリティ対策を採用しています。クレジットカード業界では、顧客のカード情報を守るためにPCI DSSという世界基準を設けており、Shopifyで採用しているのは、まさにこの基準です。
また、Shopifyの管理画面にログインする際に二段階認証を設定できるなど、高レベルのセキュリティ対策を行っています。ECサイトでは住所などの個人情報が必要になるため、セキュリティ対策は重要です。
WordPressはオープンソース型のため誰でもサイトの情報がわかり、セキュリティ面が弱いと指摘されています。Shopifyのカート機能を使えば、WordpressでのECサイト運用も安心して行えるでしょう。
ShopifyPOSの利用で実店舗販売と在庫の連動ができる
ShopifyPOSを利用すると、実店舗の在庫とECサイトの在庫が連動し、販売の機会損失を防止できます。ShopifyPOSとは、実店舗の販売を管理するシステムで、ShopifyのECサイトと連携可能です。
実店舗とECサイトで在庫が連動されていないと、実店舗には在庫があるのにECサイトでは在庫切れになっているということが生じます。せっかく商品があるのに、販売できていないと、本来得られるはずの利益が得られません。
また、ShopifyPOSではECサイトと顧客情報の連携もできるため、より高い顧客サービスを提供できます。WordpressでもPOS機能が利用できるプラグインはありますが、プラグインを多用すると、サイトの表示が遅くなる弊害もあるので注意が必要です。
そこで、ShopifyをWordpressで利用すれば、高機能なECサイトを自社サイトにかかる負荷を抑えて実現できます。
サポートやユーザーコミュニティがある
Shopifyはカナダで誕生したサービスのため、日本上陸当初は日本語でのサポートが十分ではありませんでした。しかし、近年は日本語対応がかなり進み、サポート体制も充実してきています。
ECサイト構築時にはオンラインでサポートを受けられるサービスもあるため、webがあまり得意でない担当者でも安心して利用できるでしょう。さらにユーザー同士が助け合うコミュニティもあり、これまで解決してきた事例も多く溜まっているので、よくあるトラブルはコミュニティを利用して解決できます。
Shopifyスタータープランなら月額$1で利用できる
Shopifyは月額課金制のサービスで、スタータープランを適用すると最初の3か月は月額$1から始められます。自社サイトにカートが設置できると新たにECサイトを構築する必要がないため、月額$1ですぐにインターネット販売が可能です。
さらに、ShopifyではWordpressだけでなくSNSやメールにもカートをつけられ、販売チャネルの拡大も難しくありません。ホームページとECサイトのデータベースを分けることもリスクヘッジになりますので、月額$1でリスク対策ができるという点もお得だといえます。
WorspressでShopifyを利用するデメリット
WordPressでShopifyを利用する際には、デメリットもあります。デメリットも把握したうえで、利用するかどうかを検討することが大切です。主なデメリットは以下2つです。
- ShopifyとWordpressのドメインが異なる
- 費用がかかる
詳しく見ていきましょう。
ShopifyとWordpressのドメインが異なる
Shopifyを利用する際には、Wordpressと異なるドメインを設定しなければなりません。ドメインとは、例えば「www.shopify.com」というURLの「shopify.com」にあたる文字列で、webサイトの住所となる存在です。
ShopifyとWordpressは利用するサーバーが異なるため、全く同じドメインは利用できません。そのため、ShopifyとWordpressのサイトは別のURLとなってしまいます。
もしあなたが顧客で、購入ボタンをクリックした先が、全く関連性のない別のドメインであったとしたら心配になるでしょう。不審なサイトでは怪しまれて、商品を購入してもらえません。
別ドメインを用意せずに運営する対策には、サブドメインを使う方法があります。サブドメインとは、1つのドメインを分割する方法です。例えば「shopify.com」のサブドメインを作るとすると、「store.shopify.com」のようにshopify.comの前に任意の文字列を入れて作れます。
自社の独自ドメインがある場合は、サブドメインを作ると、カート先のURLが元のサイトと関連性があると示せて、顧客に安心してもらえるでしょう。
費用がかかる
WordPressでShopifyを利用するデメリットは、費用がかかる点です。Wordpressのプラグインには、WooCommerceのように無料でECサイトを構築できるものがあり、コストをかけずにECサイトを始められます。
他方、Shopifyは最低でも月額$1かかるので、無料では運用できません。しかし、高度なセキュリティやサポートを受けられる点などを考えれば、必要経費とも考えられます。
まとめ
ShopifyとWordpressは、連携可能です。既にWordpressで構築した自社サイトがある場合は、Shopifyの購入ボタンを表示させると、自社サイトをECサイト化させられます。
Shopifyでは、クレジットカード業界と同水準の高いセキュリティ対策がされているので、顧客の個人情報を扱うECサイトにおいては安心です。日本語でのサポートやユーザーのコミュニティも充実しているので、初めてのECサイト運用も心配ありません。
Shopifyを始めるなら認定パートナーのフルバランスへ
フルバランスはShopifyの公式認定パートナーです。Shopifyが日本に参入した当初から、Shopifyと協働してECサイト事業者のサポートを行っています。
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